これを書いているのは、2018年12月ですが、ランパントは数年前に活動を停止してからも ホームページは開設したまま、高級彫刻モデルや修理用パーツ、グリップなどの通販コーナーは続けていました。 しかし、いよいよ本年末をもってホームページを閉じられるそうです。

何だかさみしいですね。と、いうわけでランパントが最後に放った高級エクスペリア・モデルガンの3機種を チラシですが掲載しておきます。なお、今ならまだランパントのホームページから、このチラシのPDFファイルが ダウンロードできますが、私のスキャンした物の方が解像度が高いのできれいに読めます。

各チラシは、クリック拡大できます。


チラシ

ラストショット、それはバックストラップなどを真鍮削り出しで作った高級モデルガンでした。 以前のメッキモデルで、仕上げが荒く不満が噴出した部分ですね。 このまま終わるのは悔しかったのでしょう。

ロンドンモデル

455口径のロンドン向けモデルの再現です。 私はランパントさんがつくらなければ、このようなモデルが存在していたことは、知りませんでした。

軍用モデル 5.5in



軍用モデル 7.5in



お値段など

さすがにお値段もそれ相当です。

ロンドンモデル
別のチラシ

このチラシは、普通紙に印刷されたものです。

お別れの手紙

このチラシは、普通紙に印刷されたものです。

ほんとうのお別れ
筆者の考察

モデルガン文化は、ほぼ終結しているのですが、そろそろ本当のお別れが近づいてきています。 それは、大変失礼なのですが団塊の世代の先輩方の年齢なのです。
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1950年くらいに生まれたいわゆる団塊の世代の先輩方は、全力で日本を引っ張ってきました。 また、その世代は人数が多いので子供のころから大人になり、介護老人になるまで、常に日本の文化、社会制度に 影響を及ぼしてきました。

その一つが、モデルガン文化だと私は思っています。 MGC や中田がモデルガンを作りバカ売れした時代、そう1965年から70年くらいは、団塊の先輩はちょうど中学、高校の 遊び盛りでした。流行りすぎて金色規制が実施されましたが、それでもモデルガンブームは収まらず、やがて高級真鍮 モデルや鉄製長物が出てきます。1975年ころです。そう、先輩方は就職して給料を高級モデルガンに費やせる世代も出現しています。 やがてそれは、77年に52年規制という形となり、ほぼ金属モデルガンは消え去りました。

それから20年ほどたった1996年ごろランパントが出現します。同時期にリアルマッコイも現れます。 どちらも六人部氏の真鍮モデルの再来をプラスチックで目指しています。私の想像ですが、子供のころ、喉から手が出るほど憧れたけれど 手が届かなかった六研のSAA とガバメントをどうしても再現したくて、会社を作ったのではないでしょうか。

時代もバブルの名残が残り、景気も良かったでしょうか?何より団塊の世代がとうとう50代に迫り、それなりに高額なお金を使える人たちが 存在したことが大きかったのではないでしょうか。世の中は常に需要と供給で成り立っています。

戦後のおもちゃも何もなかったころは、マテルやハブリーなどのキャップガンですら高値で取引されました。 それから40年ほどが経ち、中学生は壮年になり自分へのご褒美に高級プラスチックモデルガンも買えるようになりました。
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そうして、現代です。ランパントが出現してから20年ほど経っています。団塊の先輩方もとうとう70歳くらいになってきました。 もう、いくらなんでも高級モデルガンなど買う世代ではないですね。それどころか、コレクションを手放す世代になりました。 これじゃぁ、高級モデルガン路線のランパントなどの会社は、やっていけません。また、命の炎も弱くなり、やがて迎える旅立ちも はるか先の物語ではなくなったことを自覚する年齢になりました。

ひとつの世代が大股で歩いてきた時代は終わりを告げ、新たな時代を迎えています。今の世の中の主人公たちは、残念ながら僕らよりも若い人たちです。 仕方ないですね、僕らも実は、その年齢は経験してきたのですから。 そう、何十年と生きてきた中で、僕らは、私たちはこんなことに喜び、こんなことに悔しがり、一生懸命に生きてきましたよと、何かしら記録を残しておきたい私であります。


97年4月Gun誌広告

たまたま手に取った昔のGun 誌の広告にランパントとリアルマッコイの広告が載っていましたので スキャンしてみました。どちらも大きく六研の文字が見られます。

それほど、六研という言葉は私たち世代にとりましてはまさに「神」に近い響きを持っていたのでした。


リアルマッコイさんは、私はよく知らないのですが今では活動は停止していて、金型は現在のエランに渡っているようです(推測)。 そのさい六研の商標をエランさんが買い取ったようでエランの製品は、六研製とも呼ばれているみたいです。 若い世代には違和感はないのでしょうが、我々の世代は、六人部氏が作ったものとそれ以外の物とは、全く違うものだと認識している 世代です。なので六研で検索するとリアルマッコイやエランの商品が出てくる現在の状況には、さすがに時の流れを感じますね。