CMC ・レミントン・ダブル・デリンジャー

亜鉛合金製・金属モデルガン
写真00

写真00

デリンジャーとは、もともとヘンリー・デリンジャー氏(Henry Deringer)が1833年に造ったパーカッション式の 手のひら拳銃のことで、護身用に広まり、それ以降似たような製品が真似した名前のDerringer とR をひとつ
くっつけて 販売されたおかげで、小さな護身用単発拳銃のことを総称してDerringer と言うようになりました。

デリンジャー氏の製品はWikipediaによると1852年登場となっています。1833年は、レミントンの本からの引用です。NRA の分解図集によると1825年です。



レミントン社から発売されたデリンジャーは、ウィリアム・エリオット(William H. Elliot)さんが開発したもので、すでに22口径6連発や右図のような41口径シングルショットを開発、販売していました。ダブルデリンジャーは1865年に完成し1869年から販売されたようで、人気があったのでしょう、1935年まで15万丁作られたようです。旧式なわりに息の長いモデルですね。


写真01

ハドソンやMGC もデリンジャーを造っていましたが、CMC も含めて全てがコイル式バネを使用しています。

写真02

実物と同じ板バネ形式は、CMC のプラスチック・デリンジャーの登場まで待たなければいけませんでした。 CMC は、このように後期になるほどメカの実銃志向が強まります。MGC の対極にあるともいえます。 実銃に近づくほどモデルガンは壊れやすくなるので、開発者はたいへんだったでしょう。

写真03

エキストラクターのラッチ形状が、プラスチックモデルとずいぶん違います。
実物は、おはじき(死語?)のような 格好しています。滑り止めは、古いものにチェッカーリングが見られ、その他たてミゾ、なんと横ミゾも存在します。

このプラスチックモデルの金型は、その後ハートフォードに行き、より洗練されたそうです。


写真05

各社のラッチ形状です。MGC の物は、戻りのスプリングが入っています。

写真06

ロックレバーの止めも各社違いが見られます。
MGC のCクリップ好きは、私個人としてはあまり賛成できません。

写真07

ハドソンとCMCは、同じつくりでモデルガン独特の構造です。ハンマーセンターに溝を切ってラチェットプレートを入れ込んでいます。黄色矢印のファイアリングプレートがラチェットのミゾの高い低いによって上下のリムを撃ち分けます。

MGC は、本物と同じ構造でハンマーの厚さを半分にしてラチェットを入れています。


構造からみると、ハドソン、CMC、マルシンの3個は、すべて同じ構造です。モデルガン独自な構造なのに同じ造りということは、どこかの製品をコピーしたと考えられます。Gun 誌の広告を打った会社はハドソンのみですので、CMC とマルシンはハドソンのコピー品だと思います。

オーマイゴッド、憧れのCMC もコピー品を作っていたなんて・・ちょっと悲しい。


写真08

CMCの刻印です。CMCは、メーカー名を書いているのですぐに判りますが、他社の物はどこの製造品か 判りにくいです。

写真09

カートは、ものすごく長いものが付属しています。真ん中二つが実物ダミー・カートです。

写真10

ウエスタンを演出するのに欠かせないデリンジャーです。
しかし、板バネ式の実物構造のモデルガンは金属時代には、ついに登場しませんでした。

参考ページ↓ 左メニューのフォト・ギャラリーから入って下のほうに初期のエキストラクタのないデリンジャーの写真などあります。 また、パテントのページでは珍しい図がたくさん見られます。

http://www.remingtonsociety.com/


おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。→  分解図へリンク


[CMCに戻る]