写真00

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CMC の3型のSAA です(3代目)。すでにSAA を発売していたCMC ですが、何か気に入らないところが あったのか新型を登場させています。
CMC の初代は、モナカ構造で一般には、あまり見かけません。2代目が規制前製品、52年規制後が3代目です。


写真01

52年規制のあとからの発売でsmマークの物は存在しないと思います。

この銃は、後年モデルガン業界の一端をあらわす運命をたどります。


登 場

写真19

1978年(昭和53年)6月号のGun 誌に登場しています。↑写真はクリック拡大します。
広告写真上の方に「たいへん長らくお待たせしました。三代目登場」と書かれています。


外 観

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コルトマークがはねてます。


写真03

CMC のマークは、やや控えめです。


写真04

コルト・パテントとハートフォードと書いています。
昔のGun 誌に一行刻印が本当だと書いていましたが、ランパント・クラシック のSAA は、この刻印ですね。SAA は、超マニアがいっぱいいるので うかつなことは書けません。私は詳しくないです。


写真05

右のスタームルガーのようなフレームがCMC 旧型のフレームです。
新型は、実銃のようなフレームになりました。


写真06

旧型とは、微妙に大きさが違うようです。
作り替えたくらいだから新型の方が実銃に近いのでしょう。


写真07

内部パーツも実銃同様ですが、写真のハンマー部はオリジナルかどうだか判りません。
トリガー右に置いてあるボルトが本物みたいに対称に割れていません。また、トリガースクリューとボルトスクリューの長さがほんの少し違います。実銃でも 1st ジェネレーションではこうだったようです。実物は長いほうがトリガー用です。 2nd ジェネレーションからは、同じ長さになりました。


写真08

ボルトの変な切り込みは、よく見ると鋳造部品にプレートを乗せて作った凝った部品でした。規制のため材質の制限ゆえ、このような形になったものかもしれません。
実物は、下に写っている図面のように左右対称にミゾ彫りです。


写真09

ベースピンは、ちゃんと実物のように先端が太くなっているので、スッポンポンの MGC 用とは違います。


写真10

MGC 用は、お尻から突き出てゴメンナサイとなりますが、CMC の物は止まります。


写真11

ついでにMGC のシリンダーと比べてみました。ボルトの入るくぼみがMGC は、前方に寄りすぎですね。また、CMC の方がすこし大きくてMGC のフレームには、入りませんでした。

比較対象のモデルガンを持っていないもので、MGC と比べましたが、本来比較対象にするのは CMC に失礼です。コンセプトがまるで違うのでMGC にも失礼かもしれません。


写真12

カートは、純正なのかよく判りませんが、タナカ製の物と同じ形です。右端は、実物の45コルト・ダミーカートです。


写真13

写真下は、タナカのガスガンのカスタム品ですが、この両者は親類関係かもしれません。

CMC が無くなって金型はタナカに渡り、金属モデルガンがタナカより販売されました。
当然CMC と同じ物です。その後、ガスガンの開発にも形が参考にされたかもしれません。


写真14

もともと、六研がプラスチックのSAA を開発した物が始まりでした。

製品は素晴らしかったようですが、製造上の金型問題から不良品の大発生で、商売あがったり 状態だったそうです。六研での販売は少数で止まり、引き続きCMC が六研製として販売しました。それも少数だったようです。 その後この金型は大修繕されウエスタンアームズのプラ製SAA へと変身します。

また、CMC は六研プラ製を参考に金属製モデルガンを製造しました。それがこの新型SAA です。 従って六研が生み出したプラ製からCMC 金属、ウエスタンアームズ・プラ、タナカ金属、と皆兄弟のような関係です。 ひょっとしたら写真のガスガンも親類かもしれません。

六人部さんも亡くなりCMC も消えてしまいましたが、良い製品はオーナーを変えながら長く生き残ったと言う事でしょうか。
商売には貢献しなかったようですが、六人部さんの造型技術はたくさんのユーザーを楽しませたことは間違いありません。


軍用型

写真20 ↑クリック拡大します。
CMC には、軍用型もありました。ベースピン止めが縦に付いたもので、刻印もUS刻印でグリップは プラスチックですが、カルトゥーシュが刻まれていました。
写真21 カートは、上の方で紹介した物とは構造が違っていますね。

このカートは、CMCプラSAA1型(六研ピーメ)用ではないかというご意見もいただきました。 有難うございました。


写真22 燦然と輝く軍用マーク
写真23 この銃を検査した責任者はグリップの刻印からわかります。この人です。
SEB=スタンホープ・イングリッシュ・ブラントさんです。
写真24 カルトゥーシュを調べた書籍はこちらです。分厚い本です。
A Study of the Colt Single Action Army Revolver

オマケ

写真15
文中に引用した書籍はこれです。こちらにWEB ページがありますが、直接は購入できません。

http://www.gunbooks.com/

海外は、お断りだそうです。私は Amazon.com にて本屋さんから購入しました。
送料込み6,500円、2ヶ月かかりました。
他のシリーズのショップマニュアルとは、ずいぶん内容が違います。 コアなSAA マニアにはお勧め品ですが、普通の人は面白くないと思います。ご参考まで。



ショップ・マニュアル追記


amazon.com でショップマニュアルを扱っているところは、最近少ないです。

その中でコンバット・ブックスは、アマゾンから入ると海外購入は出来ませんが、 直接メールしてみたらOKとのことで、クレジットカードか PayPal でいいそうです。
私は PayPal にて購入してみましたが、5日で到着しました。6,500円でした。 信頼できるお店だと思います。ご参考まで。

コンバットブックスのページ↓

http://www.combatbooks.com/

検索窓でshop manual と入力すれば出てきます。


おまけ分解図

分解図