写真x

ルガー社からアウトドア用ブリンキングガンのベアキャットをハドソンがモデルガン化しました。 22口径のシングルアクションなんて、あまりメジャー受けしないようなのに
きちんとモデルガン化しています。


登 場

写真01

1979年(昭和54年)7月号のGun誌 です。この前月にも載っていました。このころに 発売されたようです。すでに52年規制後なので銃身分離型のオートは販売されていません。


ご先祖様??

写真02

1976年(昭和51年)5月号のGun誌 の六研広告に次期発売としてベアキャットが登場しています。 この広告にあるプラ製SAAは、製造不良が多く出る残念プロジェクトとなり、真鍮ウッズマンも 52年規制で販売できなくなり、六研は苦境に陥ります。Kar98 プロジェクトも頓挫してしまいました。

ですのでこのベアキャットは世に出ませんでした。想像ですが、このときに原型ができていて それがハドソンの元に成った・・・なんてことはなかったのでしょうか?


通常版

写真04

なかなか洒落たボックスに入っています。実銃同様なのでしょう。

写真06

それにしても私が購入した中古は、デキが悪いものでした。

トリガーガードがきっちりと嵌まらないし、本体の表面も波打っていました。
すべての通常製品がそんな出来なのかは分かりませんが、下記に登場する スペシャル版は、明らかに良い出来栄えのようです。


スペシャル版登場

写真03

1993年9月(平成5年)のGun誌に載った広告です。
登場から14年も経っているのに、突然豪華版が登場しました。


以下のスペシャル版の記事は許可を頂いて、だいじそ さんのブログ
元祖「GUN物喪志」 から写真をいただいて使用しています。

写真0

ハドソンのベアキャットの特別版です。
立派なブックケースに入っていてダミーカート式です。通常は、発火式カートの製品でした。

実銃では、スターム・ルガー社が1958年に発売した物で、プリンカー向けの 22口径です。
遊び心が満タンでシリンダーには「くま」と「クーガー」(ピューマ)が 掘り込んでいます。
ベアキャットでアライグマという意訳もあるようですが、この場合は違うようです。


写真01 写真02

素晴らしいブックケースに収められています。
本物もこういう物があったのかどうかは、知りません。


写真03 写真04

写真05 機構的には、コルトSAAと何ら変わりがない物です。
安い値段でシングルアクション銃を販売していたスターム・ルガー社は、この形式はお得意でした。
フレームは、レミントンのようにオール一体型です。現在のルガー社のホームページにも レミントンのようなと、記述がありますのでレミントンをイメージ・モデルとしたものでしょう。

グリップも木製の美しいものが装着されています。

SAA タイプの発火方式は実物では1970年までで生産終了しています。現在は、トランスファーバー式でニュー・ベアキャットとして販売されています。ハドソンの物は旧型のモデル化です。


写真06 写真07

創業者の一人であるスタームさんがデザインしたマーク。技術者のビル・ルガー氏は友人である彼と1949年に会社を興しました。 しかし2年後にスタームさんは、28歳の若さで肝臓の病気で亡くなります。悲しんだルガー氏は、それまで赤色の、このマークが入ったメダリオンを 使用していましたが、黒色に変更しました。その後、今日までそうなっています。

ハドソン・ベアキャットのメダリオンが無塗装ですが実物もこうなっています。


写真08 写真09

小物にまでとことん拘った高級品ですね。素晴らしい物です。

ハドソン・ベアキャット通常版は1979年頃の発売で価格は5,500 円でした。
このブックケース入りは、1993年ごろの発売で2万4千円の スペシャルエディションです。

当時は、すでにプラスチック製が優勢でモデルガン自体が衰退していました。
その状況のなかで金属モデル、しかもこんな知られていない物を良く発売したものだと思います。 すでにエアーガンが登場しサバイバルゲームが流行りだした頃でしょう。


写真10

シリンダー刻印まで忠実に再現された素晴らしいモデルです。
このようなマイナーな物をユーザーに供給してくれたハドソンに大きな拍手を送りたいです。

だいじそ さん、写真使用させていただきまして有難うございました。


メ カ

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分解するときは、実銃のようにメインスプリングをロックするとかんたんにバラせます。
レミントンの一体型フレームと同じつくりです。

ブラックホークは、コルトのSAA をイメージしているようです。
また、ルガーマーク I は、南部小型拳銃やルガーP08 をイメージして作ったようです。


MGC 式ボルト

写真07

ハンマー形状を見て思わず笑っちゃいますね、MGC のSAA と同じくカムがプランジャー式ではなくって 出っぱなしの三角形です。ただし、MGC みたいにハンマーダウンのときにボルトが再び外れないように 穴が長円になっています。これでボルトがカムから逃げられます。MGC 金属パイソンのメカのようです。

ボルトのテンションとトリガースプリングは、実銃と同じ仕組みです。


シリンダー

写真08

22口径なので小さな穴が空いています。


名前の由来

写真00

ベアキャットでジャコウネコの俗称みたいな意味もあるようですが、シリンダーの彫刻から言うと ベアとキャット(ピューマ)が名前の元でしょう。日本で犬猫病院と言うとペット病院を表すように ベアとキャットでアウトドアを連想する言葉なのかもしれません。

写真は実銃でリアサイトがブラックホークのようになった最新型ですが、シリンダ彫刻は 昔ながらだと記事にあります。

https://gunblast.com/Ruger-BearcatAS.htm


実銃写真

写真09 写真10
写真11 写真12
ファースト・シリーズは、トリガーガードが真鍮でした。セカンドシリーズでは、オールスチールになりました。 サードシリーズでトランスファーバーシステムが組み込まれました。

4枚め写真は、イメージモデルになったのではないだろうかと思われるレミントン1890 です。


分解図

分解図