写真x
写真00
ユニークな製品ばかりを開発、販売していた今は亡きハドソンのコルト・ポケットです。

写真01
全体に少しスマートかな?という感じですが、良く雰囲気を捉えています。
実銃は、お尻がもうすこし丸っこいように思います。

写真02
メダリオン入りのグリップは、ハドソンのオリジナル品です。
1973年(昭和48年)に発売されたコルトポケットですから46年規制後の製品です。
ですから黒いものや 銃口の開いたものは存在しません。
写真05
メダリオンには、ハドソンと書いてあります。

写真03
紙箱です。まるで新品未使用の状態に驚きました。
箱の横にMと書いてあるように、アメリカではコルトポケットMと、言うと、このハンマレス拳銃を指します。 コルト・ポケットSというと、25口径のベストポケットのことを言います。
写真04
オールドコルトの雷タイプのレプリカ・グリップを装着してみました。
いい感じです。

写真06
ハドソンの製品は、作りが荒いものがけっこう有りますが、この個体は良い仕上げです。
ただし、パーティングラインはバッチリ出ています。
丸っこいリアサイトが時代を感じさせます。
写真07
ハンマーレスと書いていますが、ハンマーがない訳ではなくって見えないだけですが、1903年当時のアメリカでは ハンマーレスと言って売られていました。

登場

写真21
1973年(昭和48年)5月号のGun 誌です。この数カ月前から広告は出ていましたが、この号で発売宣言をしています。
このGun 誌は、私が初めて買ったもので思い出深いものです。当時タークの書いてある記事の意味がさっぱり解らなかったのですが 今、読み返すと全部解るんですねーこれが、時が経ったんだなぁと改めて思いました。

メカニズム

写真08
回転固定式のバレルシステムを忠実に再現していて素晴らしい出来栄えです。
(バレルロックのラグは少ないですが・・・)
 
本物との大きな違いは、板バネではなくハンマーストラットが付いていることです。
おかげでスペースが無くなってグリップセフティは、単なる飾りとして作られています。
実銃は、ストラットがなくって板バネです(下記イラスト)。
 
断面図


写真10
実銃のバレルロッキングラグは6山あります。モデルガンでは省略されています。
書籍写真のように実銃はガバメントのようなシア・ディスコネクター方式ですが、モデルガンでは すっかり省略されていて、シアが存在するだけです。

写真15
おかげで、のちにブローバックタイプが発売されたときには、ディスコネクターが入るミゾがスライド後端に 施されています。この加工は後期の製品にはスタンダードタイプにも見られます。

写真11
ファイアリングは、プレート式のありふれたものです。

写真12
バレル形状やハンマーの形、グリップセフティなどよくコピーされていると思います。
実物写真と比べるとグリップセフティが動かないように作られているのが判ります。

MGC と比較

写真13
2010年にCAW から再版されたプラスチックモデルですが、ここに用意したものは本家のMGC 製品です。 長さ的にはハドソンと大差ないのですが、MGC の方がすこし大きいです。

写真14
MGC の方が、高さがかなり高いですね。ハドソンの方は、実物写真よりもスマートに見えますので 本物はMGC くらいの大きさなのかもしれません。

写真17
旧型バレル 実物のコルトポケットは1型から5型に分類されているようで、MGC のブッシング式は1,2型に見られるものです。 ハドソンのバレル形式は3型から登場し、多数派です。 CAW ではこの形式の外観を持つタイプもモデルアップされています。

写真16
両者の最も大きな外観上の違いは、MGC にあるバレル固定ピンです。
実銃の固定方式とは違うためMGC モデルガンにのみ存在しています。

カート

写真19
ごく普通のタイプです。

おわりに

写真18
1910年ころは、ヨーロッパではFN 1900、FN 1911が爆発的に売れて、アメリカではコルト・ポケットがベストセラーとなり、 軍にはガバメントが採用されました。まさにブローニングの開発した自動拳銃が世界を制した頃でした。
 
これらの名品をモデルガンで雰囲気だけでも味わえる良い製品たちがかつて存在していました。
タイムスリップしてきたような素晴らしい状態のハドソンを紹介できて楽しかったです。
オーナー様有難うございました。

参考書籍

写真22
左は、コルトポケットM、S の書籍で主に外観、彫刻、グリップなどのきれいな写真があります。
資料的には物足りません。こちらで購入できます。80ドル。なお、このサイトはコルトの宝庫です。
http://www.coltautos.com/default.asp
 
右は、コルト=ブローニングの総ての銃のメカニズムが詳細に解説されていてメカ好きには最高の本です。 フランス語ですが、絵を見れば理解できます。おすすめします。45ユーロ。
http://users.skynet.be/HL-Editions/coltpag/livrecol.HTM

東日本大震災

写真20
2011年3月11日に発生した大震災に遭われた方々へお見舞い申し上げます。
あの日は、多くの方々が亡くなる瞬間の映像をまるで映画のようだと思いながら眺めていました。
九州では、コメもガソリンも水もいつもと変わらずに買えるので、まるで別世界の話のようでした。
しかし、単身赴任していた知人が津波で亡くなった報を知り愕然としました。 第一波は、やり過ごせたようでしたが、安心して現場視察へ出かけて遭難したようです。 第何波だったのか知りませんが、何回も押し寄せてくる津波の恐ろしさは周知して欲しいと思います。 私は、でっかいのは一回しか来ないような印象を持っていました。九州へ帰って来られて弔いができたことがせめてもの幸いでした。
 
犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに被災された方々の一日も早い正常な生活の回復を 願っています。

おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。→  分解図へリンク