写真x
写真00
 
コクサイから出ていましたM29 です。2010年ごろにニューシリンダーで再版されました。
ものすごくいい出来なので、本当にあのコクサイ製なのかと目を疑ってしまいます。

写真01
 
8 3/8 in、6in、4 インチ銃身が販売されました。また、1989年には、メタリック射撃に使用するアジャスタブル・フロントサイト付きの物も発売されています。
 
すべて、トリガーはスムースでミゾがありません。これは、モデルになったと思われる永田市郎氏の 持っているものがそうなっていたからではないでしょうか?
コクサイの社長、荒井氏はイチローに感化し本格的なモデルガンを造る宣言をしています。この頃発売されたM19、M29 は、実物グリップがそのまま使用できるという、すごい出来栄えでした。
写真は、すべてS&W 社の実物グリップです。
写真02
 
右側は、こんな感じ。コクサイは、以前にも44マグナムと言う名前で 金属製を販売していましたが、外観はMGC のコピーのようで格好悪かったです。 このモデルとは、比べられません。
この新型モデルのおかげで、それまでの名機だったCMC M29 も、かすんでしまいました。

登 場

写真13
 
1985年10月号のGun 誌 です。ここに登場しています。
金属モデル第2弾とあるのは、少し前に第一弾でM19 が発売されていたからです。

完璧メカ

写真03
 
実物を完全に再現した素晴らしいメカニズムです。
CMC のM29 は、シリンダストップ軸が無いために的確な作動をしていませんが、こちらは 完璧です。

新旧の違い

写真04
 
下のほうが、はげ易いメッキの物で、上の方がしっかりした金色メッキ品です。
上の方が新しい物です。
バラしてみたら、若干の違いがありました。
写真05
 
シリンダブッシュが違います。左の古いほうは、シャフトに入っています。

写真06
 
また、古いものはシリンダストップのスプリングが弱いため、ときどきシリンダーが 逆回転できてしまうといった不具合がありました。取り寄せたスプリングが下の物で、強くなっています。交換したら、トリガーが戻りにくくなっちゃいましたので、黄色矢印の面を平滑に削り、 トリガーも少し削って調整しました。

バラしかた

写真10
 
コクサイのM29 は、実物と瓜二つなのでバラしてメカを探るのに良い教材です。

 
まず、ネジを取ったらサイドプレートを起こします。本物のS&W は、ここが たいへんピッチリと出来ていて、木槌で叩かないと取れないそうです。
写真07
 
次に板バネのネジを緩めてバネを外します。そうして、トリガーを少し起こして ハンマーを取ります。このときシリンダーが入っていないとハンマーは、シリンダーロックにつっかえます。

メインエベント

写真09
 
リバウンドスライドを外します。これが出来たら一人前です?
さいわい、あまり強いスプリングでもないので、矢印方向に小さなドライバーで 押し付けて外します。あとは、トリガー、ボルトを外します。

組み立て方

写真11
 
バラしたときと逆順で部品をセットします。最後の難関、ハンマーブロックです。
写真左の位置にセットしていないと、サイドプレートがはまりません。
と、いってもすぐに外れてしまいますので、右写真のように半開き状態で 矢印のサイドプレートのミゾと一直線になるように細いドライバーでリバウンドスライドの 凸に乗せてあげます。こうすると簡単です。
写真12
 
サイコー・メカのコクサイのおかげで、実物グリップを付けて遊んでいます。
 
名品のおかげで、「ボロいコクサイ」から「リボルバーの雄コクサイ」の 名が歴史に刻まれました。しかし、時は金属モデルガン終焉の時代で、すでにエアガン隆盛の 兆しが見えていた頃です。
こんなに素晴らしいモデルなのに、あまり商売的には貢献しなかったのかもしれません。
 
しかし、完璧M29 は歴史に名をとどめたと思います。

AFモデル

写真14 アジャスタブル・フロントサイトモデル登場。1989年1月号のGun 誌 です。この年の1月8日から平成が始まりますが、この本が 売られていたのは10月ごろでしょうから、まだ昭和ですね。

エアーソフト・ガンが隆盛のころですので、すみっこに掲載されています。


実銃の記事

写真15 1983年7月号のGun 誌にタークさんが記事を書いています。当時の最新モデルで、テスト用にS&W から送られてきたと書かれています。10インチモデルのM29です。モデルガンは8 3/8 インチですので、それよりも長いですね。当時のメタリック射撃には、10インチ銃身が常識だったようです。


メタリック・シルエット
射撃

写真16 ハンドガンによるメタリック・シルエット射撃については、1977年4月号のGun 誌にタークさんが記事を書いています。 50m、100m、200mなどの場所に10mm前後の鉄板で作られたターゲットを狙い、的を倒すことで 得点を競います。厚い鉄板を倒さないといけないので、紙のターゲットの真ん中を狙う射撃とは、違ったパワーが 求められます。

また、同じ銃で距離を変えて撃たなくてはならないため、今回紹介のようなアジャスタブル・サイトが有用になります。


コクサイAF

写真20 このたびコクサイのアジャスタブル・フロントサイトのM29を入手したのでレポートしました。

メ カ

写真17 全体の構造は、いつものM29 と同じです。毎回コクサイのこのシリーズのモデルガンには 感服いたします。実銃同様にかっちりと作られています。

フロントサイト

写真18

写真24 フロントサイトのメカニズムです。

右のGun誌 タークさんの実銃記事と同じ構造です。 丸いディスクの2番と3番の間にある出っ張ったところにのみ、イモネジが当たります。


写真19 この写真のように左側に3番が見えているときには、7時方向にある3番のイモネジに台座が当たります。 右写真のように1番が見えているときにいは、1番のイモネジに当たります。フロントサイトには棒状のバネで テンションがかかっていますので、イモネジ
一ケ所の高低でフロントサイトの高さが変わります。

それで、あらかじめ50m、100m、200mとセッティングしておけば、試合当日はワンタッチで フロントサイトの高さをを変えられます。


紙 箱

写真21 弾を発射しないモデルガンには、全く関係のないAF機構のモデルですが、
メタリック・シルエット射撃の 雰囲気を感じさせてくれる、たいへんマニアックなモデルガンでした。

カート

写真22

チラシ

写真23

分解図

分解図