写真x 写真00
MGCから1967年に登場したディテクティブです。実銃は米国の刑事ドラマや映画にたくさん登場しますので、 その不恰好さはかなり有名です。初心者の人はS&Wチーフとディテクティブが並んでいたら、間違いなく チーフの方が良いと言うでしょうが、不思議なことにマニアになるほどこの不恰好さが魅力に感じます。
写真01
ハンマーの造形がいまいちですが、全体はよくモデルアップされていると思います。
MGC登場から2年後の1969年にはマルゴーもコピーではないオリジナルのディテクティブを発売しました。 そちらは、リアルメカでしたが、MGCの方はダブルアクションオンリーです。
遊べるモデルです。

写真02
MGCでも、のちにシングルアクション可能なタイプも発売されましたが、発売期間は短かったようです。 現在では、めったに見かけません。
 
当時の金属モデルガンでは、MGCとマルゴーのみでしたが、それらが消えてしまった後 2003年になってホビーフィックスから 高級モデルガンとして金属ディテクティブが世に出ています。

写真03
実銃のコルトでもそうなのですが、MGC も長銃身タイプをポリスポジティブとして販売しています。 違いは銃身長のみで機構は同じ物です。

写真04
MGC 登場から35年もたって発売されたホビーフィックスと並べています。
ホビーフィックスの物は実銃グリップがバッチリ合いますので大きさ比較にはもってこいです。
MGC は、ほんのすこし銃身が短いだけでフレームサイズは同じです。
よく出来ていると思います。

新旧フロント・サイト

写真05
登場したばかりの頃は、コルトのセカンドシリーズのように半円の後ろ側を切ったフロントサイトでしたが、のちには コルト・ファーストシリーズのように半円形のサイトに変わりました。
写真06
銃身長は2インチありませんね。ホビーフィックスは、2インチです。

刻印

写真07
左のDETECTIVE と刻印されているのは、ずいぶん古いモデルです。よく見かけるのは、バレルに刻印が無くって 右写真のようにDEFFENSIVE SPESIAL と書かれた物です。これは、輸出に当たって商標名が引っかからないように 書き直されたもので、その刻印のまま国内用としても販売されました。ポリスポジティブも別名刻印の方を多く見かけます。

メカ

写真08
ダブルアクション型をバラしたところです。少ないパーツで構成されていて、完全に遊んで楽しむモデルガンとして 作られています。エジェクターは稼動しません。1型チーフからの伝統のハンマー長円穴です。リバウンドのときに ハンマーがこの穴に沿って動きます。
写真09
しかし、ボルト機構はコルトオリジナルに似せて作られています。矢印のリバウンドレバーがボルト後端を持ち上げる方式です。 この方式はMGC パイソンに引き継がれます。

ボルト穴が長円で前後に動けるようにしているのでスムーズな作動です。よく考えられたヒット作だと思います。コルトの実銃メカは 再現が大変難しくMGC は、ボルトを前後に動けるようにすることで、うまくトリガー戻りをクリアしています。この方式は、 マルゴー・ディテクティブが真似しています。


写真10
MGC パイソンのように松葉バネは採用されておらず、コイルスプリングで動作します。
写真17
ボルトのスプリングは、当初は分解図のように板バネでしたが、動きが悪いのでのちにコイル式に変更されました。

シングルアクションタイプ

写真DX-1
写真は、左がホビーフィックスで右がMGCデラックスタイプです。大きさは、ほぼ同じです。
「ザの人」から引越してこられた忠吉さんが開設している 晴耕雨読 partU より写真を借りました。忠吉さんありがとうございます。

写真DX-2
デラックスタイプは、エジェクターが生きています。
私は初めて見ました。  
写真DX-4
写真DX-4
ハンマーストラットの先端部の両サイドには、ゴムが被されています。

写真12 また、ボルトは波型の特殊な形をしており、ハンマーについたパーツの突起に沿って上下したものと思われます。このような方式は、モデルガンの精度から見てあまりうまく動かなかったのではないかと私は思っていましたが、きちんと作動するそうです。
 
右写真のダブルアクションタイプとフレームの形が違います。
また、ハンマー軸径がデラックスの方が太いです。

写真13
トリガーは、翌年にMGC から発売されたコンバットマグナムに良く似ています。
右上のダブルアクション・モデルのトリガーには横向きに強烈なミゾが彫られていますが、シングルタイプはスムースなので すぐに見分けられます。

登 場

写真21
↑クリック拡大します。
 
昭和43年発行のMGC ニュース(HSc特集)にディテクティブの事も書いてありました。写真はMGCニュースを編集しています。 これによると前年の1967年秋にダブルアクションのみでエキストラクタの動かないディテクティブが発売されて、翌年にシングルアクション可能なものが発売されたと 読み取れます。私は先にシングルが存在したのかと思っていました。逆でした。

記事の右の方は、コクサイのHSc をちょんまげハンマーと呼んでバカにしています。


カート

写真14
実物ダミーカートの38スペシャルと並べています。
写真下のように火薬穴が深い物や浅いものもあったようです。どちらが古いのかよく判りません。
写真20 と思ったらsmGの物が穴が浅いことが解りました。

紙 箱

写真16
箱はポリスポジティブと共通のようです。

おわりに

写真15
コルトディテクティブは、リボルバーとしては骨董品に入る部類ですが、その無骨な姿から職人刑事の雰囲気が伝わってきます。 今でもそれなりに人気があるようで、写真上のようにタナカからガス式で発売されています。よく出来たモデルです。
最新のガスガンと並べても40年も前に作られたMGC モデルガンも決して負けていないと思いました。

ダブルタイプ・チラシ

写真22 写真23 ↑クリックで拡大します。忠吉さんご提供です。有難うございます。
ダブルアクションモデルに特有のトリガーの強烈なグルーブが見られます。

シングルタイプ・チラシ

写真18 写真19
↑クリックで拡大します。忠吉さんご提供です。有難うございます。

おまけ

ダブルオンリー型 シングル可能型
分解図 分解図

デラックスタイプは 晴耕雨読 partU の忠吉さんから頂きました。ありがとうございます。