MGC・モーゼルHSc・スタンダード

亜鉛ダイキャスト・タニオアクション・モデルガン
写真0
MGC のタニオアクション・金属モデルガンのモーゼルHScです。
MGC は、もともとデラックスとスタンダードの2種類を販売していて こちらは、タニオアクションのスタンダードです。デラックスのほうは、52年規制により消滅しましたが タニオのほうは、撃発機構を持たないため銃身分離型ですが規制後も生き延びました。

子供の頃は、興味ありませんでしたがオトナになった今見ると、たいへんユニークなモデルで 設計者の意気込みにあふれた作品です。


写真01
52年規制後の証のsmgマークが輝いています。 フレームとスライドにMGC マークが入っています。


写真02
上面は波型に刻印が入っています。


写真03
リアサイトは、別部品です。凝っています。


写真04
スライド刻印は、第2次大戦中の物を忠実に再現しています。
初期の頃は、モーゼルマークも刻印されていたのを知っていますが、著作権の関係からか 金色規制くらいからは、入っていません。

スライドには7.65mm と書いています。32ACP です。


写真05
バレルには7.63mmと書いています。たぶん間違いでしょう。
通常32ACP は、ヨーロッパでは7.65mmと呼びます。


写真06
ランヤード用の穴があります。軍用であることの証明です。 ヨーロッパ製の銃器は、マガジンキャッチが下から支えるタイプが多いですね。


写真07
どこから見ても作動させなければ、タニオとデラックスは区別が付きません。
唯一あげるとすれば、ここの2丁にはマガジン刻印に違いがあります。
タニオには、MGC と刻印されていますが、デラックスタイプはモーゼル刻印です。 コクサイ製のものはマガジンボトムが厚いです。


写真08
実銃をよく真似ていますが、独自機構の物です。フレームなど素晴らしい出来栄えです。
右がデラックスで、左がタニオ。ぱっと見たらハンマー形状以外目立った違いは判りません。


写真09
ハンマーに生えたツノによってタニオアクションを行います。ユニークなアイディアです。
トリガーバーは、デラックスタイプと同じです。同じ動作をしますが、デラックスタイプでは、ハンマーコックとなり、スタンダードではスライド後退となるわけです。

ハンマーストラットとリコイルスプリングは、動作にまったく関係ありませんが、見た目とマガジンキャッチのために存在しています。こだわり部分ですね。あると無いのでは 見かけがそうとうに違うでしょう。また、驚きですがディスコネクターも装備されています。


写真10
スライドのセフティ下にある四角い穴にハンマーの角が入り込み、スライド後退させます。


写真11
デラックスモデルは、セフティが長く伸びてファイアリングプレートを貫通しています。 でも全体は、ほとんど同じ形です。


写真12
ハンマー回転で後退させると言う面白いアイディアですが、ちゃんとタニオ動作します。
あまりスライド後退量は大きくありません。両方売っていた当時のカタログを見ますと数点の部品交換で 両動作を楽しめますと書いていました。


写真13
実験した人もいます。写真のシア、ハンマーのパーツを組み込んでみると、とりあえず スライド引いてカチンとハンマー落とすことが出来ます。しかしスライドがタニオのままだと引っかかりますので 左上のプラスチックで穴を塞いでいないといけません。撃発機構もありませんので、組み込んで実験するくらいは いいんじゃないでしょうか?スライドを後退させてカチャン、パチンとハンマーコックと打撃のみ楽しめます。ダブルアクションも当然効きます。

ちなみにハンマーはプラ板を3枚重ねて製作されています。


写真14
たいへんユニークな設計で製造されたMGC モデルガンでした。 実銃のような動作とタニオアクションという相反する2つの動作が可能だという きわめて珍しい製品です。しかもワンタッチ分解など実銃動作をオリジナル設計で再現しています。 このモデルガンの設計者のひらめきと、そのアイディアを実現させた当時のMGC は素晴らしいと思います。
規制で何もかも、その後会社まで消えてしまったのは、残念なことです。

実銃はワルサー社がPP を大ヒットさせたため、あわてたモーゼル社が対抗策として 慎重な検討を重ねて作り出した銃です。しかしその美しさとは、うらはらに命中精度が悪いので今ではあまり人気が無いようです。トリガー線と手の谷間のラインが一直線にならない物は、命中精度が悪く撃ち味もよくないようです。



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