写真00

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MGC から発売されていたオフィシャルポリスです。
このような厳ついGun が好きに成りだしたら、あなたも重症です。
MGC は、日本で唯一このGun を金属、プラと2回もモデルアップしていました。
MGC も完全にマニア病ですね。


写真01

S&W のスマートな形に対してコルトのオールドリボルバーは、力強く男らしい感じを受けます。
田舎くさい形ですが、そこがなんとも味があります。
アメリカ人もコルトのリボルバーには、特別な感情があるらしく、総じて高価なようです。


写真02

大きさ、口径、時代も同じくらいのミリタリーポリスとは、ライバル関係だったと思います。
 
写真はコクサイのミリタリポリスと並べています。コクサイの方はきっちり4インチ銃身ですが、MGC は10cmピッタリなので、数ミリ短いです。並べてみるとMGC のシリンダーが短い事がよく解ります。あんまり短すぎではないでしょうか?
MGC 製品は、実弾が装填できないように造られているものが多いので、これもその一環でしょうか?


写真17

しかし実銃の写真と見比べてみても、シリンダー長はそんなにおかしくありませんね。
ひょっとしたらコクサイの方がマグナムシリンダーと同じパーツ流用で長すぎるのかもしれませんね。


刻印

写真05

バレル刻印2種です。手前の方が王冠マークの古いもので、2段書きの上はSMGモデルです。
 
輸出タイプは、刻印が微妙に違っていたと思います。
ボルトがはまり込むミゾがSMG では大きくなっています。


写真11

書籍にあるように、実銃は2段書きだったようです。実銃では、コルトの文字がないものも見受けられます。
書籍の左下に反射防止加工が載っていますが、下の写真のようにMGC にも施されています。


写真03

反射防止加工。かなり粗めですが・・。


登場

写真04

1969年(昭和44年)に登場したパイソンのメカをそのまま引き継いで、翌年の1970年に登場しています。
 
金色規制の46年まで、あと一年しか有りません。このころは、モデルガンが犯罪に使用されだして、オモチャだと 分かるように王冠マークを付けようという自主規制の頃です。色は黒で銃口も空いていました。


大きなフレーム

写真10

MGC オフィシャルポリスは、同社のパイソンと同じフレームなのですが、フレームがかなり長いです。 写真左は、コクサイ・パイソン2型で実物グリップがズバリ装着できますが、ご覧のようにMGC オフィシャルポリスの フレームには装着できません。フレームのほうが数ミリ長いです。
海外のフォーラムを覗きましたが、実銃でもパイソンとオフィシャルポリスはグリップ互換だそうです。
 
これは、想像ですが実銃写真から寸法を割り出したために中心から遠いほど長くなったのではないでしょうか。 ハンドガン の写真を撮影するときには、つい近づいてしまい広角撮影になることが多いのでグリップなどは 横方向に伸びて写ってしまいます。


メカ

写真06

ハンマーをロックする安全装置もなく、それどころかリバウンドシステムすら無いのですが、楽しく遊ぶためには 良く考えられたシステムです。 アレンジはかなり施されていますが、松葉バネ一つが全てを司るコルトのオールドメカの味わいは再現されています。
 
ただ、ヨークの造りがかなり緩くシリンダロックも無いので、机にGun を置いたときにシリンダーが少し出てしまうのは残念なところです。


写真07

このボルトに開けられた長円の穴が、設計の素晴らしさを物語っています。
仕組みは、S&W のようにボルトが前後に逃げることでハンマー打撃をクリアしています。
コルトメカの再現は、大変むつかしいので、確実に作動させられるこのS&W 式の方法は素晴らしいアレンジだと思います。


写真08

右のシリンダーは王冠マークの頃のものです。左のSMG製品とは異なったインサートが入れられています。 昔の物の方が、ガス抜けエリアが広いですね。


写真09

MGC オフィシャルポリスはパイソンのあとから開発されたので、機構や形がパイソンからそのまま引き継がれています。 メカもご覧のように同じ物です。
 
実銃のメカニズムは、大幅に省略されていますが、ハンマーピンやトリガーピンなどは、独立した部品になっていて壊れにくく造られており、 安く作れてちゃんと動いて楽しく遊べる、というMGC の目指すトイガン品質を見ることが出来ます。


写真15

パイソンと違うところは、撃針がフレームに付いていなくてハンマーにあるところです。
実銃でもこうなっています。実は、オフィシャルポリスは、パイソンよりも50年も前に登場したので、 パイソンのおじいちゃんクラスなのです。


実銃について

写真12

下に主だったダブルアクション拳銃を約10年ピッチで掲載してみました。
オフィシャルポリスは1927年に登場していますが、実は1906年に出たアーミースペシャルが名前を変えただけな物なので 、そうとうに古い銃です。
ハンマーロックするポジティブロック機構を備えたポリスポジティブと同級生です。
コルトのオールドメカの中でもかなり古い頃に分類されます。
 
写真は、ハドソン1917、MGC 、タナカ・ポリスポジティブ(メタルエアガン)です。
それぞれ実物で言うと特大フレーム、Eフレーム、Dフレームですがトイガンでもオールドコルトの雰囲気を味わえます。 しかしタナカのシリンダーよりMGC の方が短いのは少しさみしいです。
 

Colt S&W
1877
1889
ライトニング
ネービー
1880
 
38ダブルアクション
 
1895
1898
ニューポリス
ニューサービス=M1917
1896
1899
32 ハンドエジェクター
ミリタリ&ポリス
1903
1905
1906
ニューネービー
ポリスポジティブ
アーミースペシャル
1905
 
 
.44 ハンドエジェクター
 
 
1914
 〜
1918
 
第1次世界大戦 M1917
 
 
1917
 
 
.45 M1917
 
1927
1927
オフィシャルポリス
ディテクティブSP
 
 
 
 
1930
年代
世界恐慌で
大不況
 
1936
 
357マグナム
1939
 〜
1945
第2次世界大戦   
1955
1966
パイソン
ダイアモンドバック
1954
1955
モデル19
モデル29

写真13

表にあるように1966年のダイヤモンドバックでオールド機構は終りを告げ、1969年からトランスファーバーを持った ローマンIIIやトルーパーが出てきてオールドメカのGun は無くなりました。
大きく時代は変わり、最高品質のコルト回転拳銃もS&W に取って変わられるようになりました。
 
写真は、新機構を再現しているハドソンのオフィシャルポリスと。新旧の顔見せをモデルガンで再現しています。


写真14

マニアックなスタイルのオールドコルトを身近に再現してくれたMGC の紹介でした。
子供の頃は、格好悪いと思っていましたが、今では何とも良く見えてしまいます。
きっと私も「ほとんどビョーキ」では無く「全部ビョーキ」な状態なのだと思います。


BOX

箱写真

Tonさんより、箱写真を頂きました。有難うございます。
子供の頃は、MGCのデザインには、少し抵抗があったのですが、 いま見るとなかなかかっこいい箱ですね。


備 考

写真16

撮影に使用したSMG モデルは、メッキの色があせて銀色状態でしたので、クリアイエローを吹いています。 メッキの色あせは、白か黄色かというデジタル質問に回答できませんので模造けん銃として没収されます。
オリジナル状態で保存したいのは解りますが、自身や家族を守ることの方が優先します。
法に従い、虹色やメッキ落ちは、有無をいわさず再塗装です。
王冠マークのものは当然、鉛を流し込んでいます。
 
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おまけ

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