ナカタ・P−08

タニオアクション

写真x

写真00

ナカタのタニオアクションのP-08 である。MGC がリアル機構だったためかナカタはタニオである。 当時4インチと8インチモデルがあった。写真の8インチは、王冠マークで4インチのほうが古い物だ。

約30年ぶりぐらいに引きずり出して化粧直しをしてお披露目である。両方とも中学、高校の時に友人からもらった物だ。 現金な物で誰からもらったか忘れてしまった。
今考えると「貴重品なのにっ!」と思うが、当時は今のようにプラスチック・モデルガンが無かったので、 遊び飽きたら友人に譲る事は、よくあったものだ。他にも数丁もらった。


写真

4インチモデルは、トグルが割れていたのでパーツを後年注文したのだが、なぜか6インチ用のトグルが送られてきた。 ナカタは、6インチモデルは出していなかったので不思議だ。
後ろのモデルは、現在のマルシンの6インチモデル。

写真

8インチのサイトも良くできていてマルシンにも見た目は負けていない。
ただしノッチは見かけだけだ。

写真

Nakata の刻印場所がちがう。


写真

このモデルは、のちにマルシンから小グリップに改造されて販売された。

小グリップにしないといけないほどトリガーの初動が重たい。大人になった今でも引き金を引くのはたいへんだ。 トリガーを引くとショートリコイルしてフレームの黄色矢印の「エラ」部分にトグルが当たり上へ逃げる。

※その後、指摘いただき判ったのだがナカタの後期にすでに小グリップに変更されていた。ナカタが販売やめて、そのままマルシンから発売されたもようだ。


写真

そう、ショートリコイルするのである。それがトリガーの引き難さの一因だろう。
とにかく重い。
ショートリコイル量はマルシンと変わらない。やたらと拘った物つくりだ。
ちなみにMGC のP-38 タニオは、ショートリコイルしない。

写真

渾身の力を全て、この薄いトリガーが引き受けるので折れるのも頷ける。
この写真のものは、その昔一度折れたので部品として取り寄せたオリジナル。
下の写真左側のトリガーは、最近レストアした真鍮製。

写真

フレーム左側に「引き」メカニズムが、右側に「戻り」のメカが入っている。

写真を見ていて気が付いたが、トリガーは「起こし爪」の支点よりも内側を移動する。
「てこ」の反対の理屈で余計に重くなる。


写真

タニオの爪とトグルの受け。
トグルには弱いバネが仕込んである。CMC のエルマルガーと同じ。
強いリコイルスプリングが無いので、トグルの戻りを助け全体のスムーズ動作に貢献している。

写真

この記事のために全バラして塗装した。構造は難しくは無い。丁寧によく出来ている。
トグル起こしの爪の下の方に金粉塗装部分があるが、これがオリジナル色であった。
写真のパーツ類は、タミヤのクリアイエローにて塗装してある。

写真 バラす時にこの部品からバネが飛び出てくるので要注意。
部屋中探す羽目になった。


写真

カートは紛失したが、マガジンから見て9mm弾より小さいのは間違いない。
写真のカートは実物9mmパラのダミーカート。マガジンには入らない。

写真

マルシンのモデルと比較していたらほとんど同じ大きさだと思えたので、ナカタにマルシンのバレル部分を 入れ込んでみた。
ここまですんなり、はまった。フレームは、同じサイズだ。
考えてみたらナカタは販売だけで製造はマルシンだったろうから、この両者は兄弟のようなものだ。

写真

やたらと拘った作りのモデルガンだと再認識した。六人部氏の設計だろうか?
遊べる道具であるMGC のP-38 と違い、マニア向けの一品である。

1966年2月広告

写真14

1966年2月号(昭和41年)のGun誌の中田の広告です。ルガーの原型ではないでしょうか?
フレームモールドなどが製品版と違います。
また、六人部氏の原型は木製グリップのことが多いです。
広告文にある6インチモデルは発売されませんでした。


おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。→  分解図へリンク


[ナカタに戻る]