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メード・バイ・KKSの刻印があるように小茂田商店から販売されていた、ポリスポジティブです。
小茂田さんは、商店で製造は鈴木製作所が請け負っていたようです。
コモダが販売をやめてしまったのか、スズキブランドからの販売品でもKKSマークが付いたモデルも幾つか見られます。そのうちの一つがこのモデルです。

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スズキが作っていたチーフ、ディテクティブと同じ一連の製品です。
独自のヨーク機構を持っていて、実物よりも少し小さい物で、高級モデルガンに比べチープなものです。

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ダブルアクション・オンリーで機構はMGCをモデルにしています。
トリガーの横ミゾもMGCを参考にしたのでしょう。
「とにかく安くつくるべし」という製品なので、他のモデルガンと同じレベルで見てはいけません。
子供たちが買える値段で供給された、身近な製品です。

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スズキの箱のデザインは、どれも格好良いです。
箱だけ見たら高級モデルガンです。なかなか良いセンスだと思います。
箱の左下のPBSSとは、プロデュースド・バイ・スズキ製作所の略です。
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私が現役の子供だった頃は、鬼印の平玉火薬でしたが、こんなキャップ火薬に進化していたんですね。 昔の平玉火薬より格段に安全になっています。

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カートの雷管部分にキャップ火薬を詰めて発火します。
 
スズキのリボルバーは、どれもエジェクターが動かないタイプなので、火薬カスでカートが詰まったら シリンダー先端からカートを叩き出すしか方法がありません。これもMGCを参考にしているんですかね?安く仕上げるには良い方法ですが・・。
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刻印は左側にKSとシリアルナンバーらしきものがあります。
マルシンのブローニング380にもKSの刻印が付いています。それで私は鈴木製作所が作っていたのだと思っています。
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右側には、メード・バイ・KKSと小茂田製をうたっています。小茂田から販売されたものは、このように 金型にKKSと入っていました。
 
マルシンのブローニング380ではスタンプでマルシンと打ち込まれていました。
同じ製品である小茂田のブローニングには、KKSの刻印はありませんでした。
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メダリオンも原価圧縮のため、グリップと一体型です。とりあえず、お馬さんが跳ねています。

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MGC のポリスポジティブと並べていますが、大きさの違いがよく解ります。
でもスタイルのバランスはいいですね、子供の遊べるオモチャとして歓迎されたことでしょう。

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スズキが10個くらい買えてしまいそうなホビーフィックスのディテクティブと一緒に記念撮影です。
 
その昔、モデルガンは子供にとっては、大変欲しかったものですが、高級で簡単に買える物ではありませんでした。親に頼んでも、なかなか買ってはくれません。しかし、このスズキやジュニアモデルなどは、価格が安く 親の許しも出やすかったです。子供の私は、どれだけ実物に近いかなど考えもせずに、安いモデルで楽しく遊んでいました。
 
高級なモデルガンたちとオモチャの鉄砲の中間に位置する、これらのチープモデルガンもたくさんの 子供たちの夢を担って存在していました。
何も考えずに野原で友人たちと撃ち合いごっこをしていた頃が思い出されます。
今では、ちょっと考えられません。環境も子供の遊びも激しく変化してしまいました。
外で遊ばなくなった子供たちを憂うオトナたちですが、そんな社会を作り上げてきたのも私たちオトナです。 振り返ってみるとなんだか、すごく皮肉なものだと感じています。

オマケ

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