↑は、正確にはM2カービンです。セレクターの凹みが有ります。
youtube でアメリカのビデオを見ると、第2次大戦中はカーバインと発音していますが最近の撮影ものでは カービンと発音していますね。
登 場
1972年2月号(昭和47年)のGun誌の広告に登場しています。12月発売とありますので昭和46年の終わりに誕生したようです。
「モデルガン規制対象外製品」と、あるのは拳銃タイプが46年規制によって黄色、銃口閉鎖に された法律改正のことです。当時の改正は長物には適用されていませんでした。
この年のCMC は、46年規制のせいなのか、M1 カービンに引き続きウインチェスター92、レミントン カービンと長物付いています。
広告写真をクリック拡大すると分かりますが、初期の製品はボルトやハンマーがスチール製でした。 別の号の広告には予備マガジンは売りませんとも有り、かえって実銃ぽい宣伝になっています。 多分に六研のM1カービンを意識していたのではないでしょうか?
もっとも製作者は同じ六人部氏ですので似た構成になるのも道理でしょう。
1982年9月号のGun 誌に六人部氏がロック戸部のペンネームでチューンナップ講座・CMC のM2 カービンについて語っています。 それによるとなんと初期の物はストック、ハンマー、シア、トリガーがホーワ製の実物だと書いています。 真偽の程は解りませんが、今では考えられないすっごいモデルガンだったのですね。
初期型リアサイト
最初の頃のリアサイトは、スプリングフィールド1903 の実銃の物が使われていました。写真の右 2つです。変更後は左のように実銃のM1 カービンを真似たリアサイトに変更されました。
これは、想像ですが1969年頃に登場した六研製の鉄製M1 カービンのリアサイトがそうなっていたから ではないでしょうか?亜鉛でパーツ作るよりも軍用銃ならパーツも多かったことでしょうから 払い下げ品を使って安く仕上げるために倣ったのではないかと思います。
最初期型モデル
最初期型は、チャージングハンドルがメッキされているのですぐに判ります。比較のマガジンポーチが付いている物は、smG初期の製品です。
ボルトは、ラウンドタイプですね。スチール製でしょう。
リアサイトがスプリングフィールド・ライフルの実物を使用しているので
右のsmGモデルに比べて短いですね。
ストックの下部にCMC 刻印があります。
フラットボルト・モデル
リアサイトがスプリングフィールドの実物なのでけっこう古いモデルだと思いますが フラットタイプのボルトに変更されていますね。 CMC のM1 カービンは、様々なバリエーションが存在するようでいったい何型と呼んで良いのか よく判らないところです。
実銃ではボルトは3タイプ存在していて、1と2がM1 ガーランドのようなフラットタイプです。
強度を増す意味でタイプ3からは、ラウンドタイプになりました。おおむね1944年からラウンドタイプです。
いまわかっているCMC バリエーション。どうもsmG までは実物リアサイトのようです。
型 | 特徴 | 時期 |
---|---|---|
1型 | リアサイト実物、ラウンドボルト | 1972年 |
2型 | リアサイト実物、フラットボルト | ? |
3型 | ラウンドボルト、Fプレート垂直 | 1978年 smG前期 |
4型 | ラウンドボルト、Fプレート水平 | smG後期 |
5型 | ロータリーボルト、フラット | 最終型1984年 |
ロータリーボルト・モデル
CMC最終型は、実銃のようなロータリーボルトの再現でした。しかし、チャージングハンドルにボルト回転のための 細工を施したために折れやすくなってしまいました。写真は折れたハンドルです。右は回転しないボルト型のハンドルです。
亜鉛製ですと強度的に無理だったのでしょう。リアルなモデルガンは、smG規制以降は、簡単にスチールパーツが使えなくなったので
実物に似せるほどに壊れやすくなるというジレンマを抱えていました。
ロータリーボルト・登場広告
1984年2月号(昭和59年)のGun 誌に登場広告がありました。
マガジン各種
マガジンは各種少しずつ違っています。特に初期の物はマガジン左サイドに水平の凸があって 他のモデルには入れることが出来ません。CMCは、マイナーチェンジごとにマガジンキャッチあたりも 変わってきているようです。左がsmG初期型で右が最初期型ですが、マガジンキャッチの形状に違いが見られます。 昔のモデルガンは、実物のマガジンが使えないことが正義でしたが、だんだんとリアル志向になり 実銃マガジンが使えるモデルも多くなっていきました。そんな歴史も感じさせるマガジンキャッチの 変遷です。
また、今回マガジンパウチに入れるためにタナカのM1カービンのマガジンを購入したのですが
smG前期型には入れることが出来ませんでした。形状はタナカの物が実物そっくりです。
CMC最終型(ロータリーボルト)にタナカのマガジンが使えるのかどうか
ご存じの方がいらしたら教えてください。
メ カ
メカは、実物に良く似て作られています。おかげで分解などは、youtube に出ているビデオと 同様に行えます。ただし、M2 カービンのメカは、材質の関係でしょうがうまく動かないようです。 また、レバーが欠けやすいのも亜鉛製ゆえの宿命でしょう。写真の切り替えレバーは欠けています。 どうせうまく動かないのだから私はフルオート・パーツをバラしてM2カービンをM1カービンにしてしまいました。
パラトルーパー登場
1980年10月号のGun 誌広告にトンプソンと共にパラトルーパーが掲載されています。アクセサリ
この第2次大戦中にストックにはめていたパウチは、もともとはピストルベルト用です。
ベルトに止めるスナップボタンが内側に付いています。それが、戦場でストックにはめて使われた物です。
自分はBOYT 社の実物製品が欲しかったので、シカゴレジメンタルで高い物を買いましたが
レプリカ品でも同様に使えるでしょう。
第2次大戦モデルへ変更
この写真を見ると判るように、M1 カービンの第2次大戦中の物にはピープサイトが付属していました。 モデルガンのようなサイトが付くのは、1944年からなので、コンバットでドイツ軍と戦っている ヘンリー少尉は、銃剣装置のないピープサイトのM1カービンを持っているのが本当でしょう。
こちらに用意した物は、レプリカ品ですがタイプ1のフロントバンドとピープサイトです。 PKミリタリアさんで買いました。上にも書きましたが、着剣装置の付いたフロントバンドは3型と呼ばれる物で1944年以降ですので 大戦中は銃剣が着けられないM1カービンばかりだったはずです。また、ピープサイトは1型と呼ばれ、2型は MGC がモデルガン化している物でCMC のリアサイトは、3型になります。
CMC のバレルは、叩き込まれているだけなので着剣装置部分を木槌でコツコツやってバレルを外します。 レプリカ品のバレルバンドは、そのまま使用できました。
リアサイトはネジで留まっていますのでバラさないと外せません。
レプリカのピープサイトはCMC のミゾよりも大きかったので2mmくらいサイトの方を削って 叩き込みました。やったぜ、これで大戦中モデルの完成です。えっ?ハンドガードの穴も1個にしろって?? ボルトはフラット型やっ!って??うーーん、そのうち考えます。
↑こちらは、実物写真です。チャージハンドルが半分隠れる初期のストック装備です。拡大できます。 ページはこちらから拝借しました。
http://model1911.blogspot.jp/2013/06/inland-m1-carbine.html
カタログ
CMC M1 カービンは息の長いモデルとなり、最終的にはロータリーボルトの再現までされて M 1、M 2、パラトルーパー、スポーター とバリエーションも多く誕生しました。また、CMC 解散後はタナカが引き継ぎ販売されました。
写真は昭和54年(1979年)のCMC カタログVol.4 からです。
参考資料
U.S. M1 Carbines, Wartime Production by Craig Riesch という本ですが、M1カービンの バリエーションのことを「そこまで知らなくても良いです」と、いうくらい詳しく書いています。 このWEB ページの知識は、すべてこの本からの頂き物です。A4 よりも小さな本で、ほとんどがモノクロ写真ですが その情報量は、本物です。米国のamazonから購入しました。もう一冊別の本とともに買って、送料は850円でした。
ただし、表題のようにM1 カービンのことだけ書いています。
M 2 カービンのことは何も記載がありません。
おまけ
旧型 |
smG型 |
smG・ロータリーボルト型 |
ビデオ
5分くらい有ります。
参考・実銃 M2解説ビデオ
昔の米軍のビデオでしょうね、たいへんわかりやすいです。