MGC ・51ネービー・カービン

亜鉛合金製・金属モデルガン

kingdam of odd 様より写真をいただき使用しています。有り難うございます。

写真00

MGC 51ネービーのカービンモデルです。 こんな物が存在していた事すら知りませんでした。
MGC の51ネービーは1969年に発売された物ですからそのあとに出てきた物でしょう。
そう、1970年の大阪万博へ向けて右肩上がりの「いけいけ日本 」の頃でした。

その後オーナーのお話によると46年規制で銃口閉鎖、金色着色の時に限定的に在庫処分用で 様々なカービンタイプが発売されたようです。急な法改正により、黒い拳銃モデルを規制の無い「長物モデル 」に 急ごしらえした物でしょう。 カタログなどに載るひまも無く、購入した方々もたぶん、すぐに拳銃処理をしたでしょうから 現存する物は少ないと思います。
シビリアンのカービンやS&W 44カービンなども販売されたようです。


MGC グラフィティ

写真13

雑誌の特集かな?MGC・モデルガンズ・グラフィティーという記事からの引用写真です。 46年の銃口閉鎖、金色規制を前に在庫の黒いモデルを急遽長物に衣替えさせていることがよく分かります。 クリックで拡大します。

バントラインやルガー、モーゼルカービンなど、そのまま長物として売られ続けたものもあります。


写真01

ストックは、バントラインカービンと同じ物のようですね。 たいへん良い材質が使用されているようです。 本体は、トリガーガードが別形状の部品になっています。

写真02

うーーむ、写真で見ても素晴らしい材質なのがよく判ります。
ローズウッドのデラックスタイプとのことです。

写真03

ストックフレームは、ネジ穴が開けてありトリガーフレームと共に本体に固定されるようになっています。

写真04

MGC 51ネービーの特色であるコイルバネ式リコイルスプリングが使用できないために 特別な板バネがセットされています。MGC は、51ネービーとSAA のパーツは互換性がかなりあるので バントラインカービンもこのような構造かもしれません。

写真05

ついでに・・・ハンマーシステムは、MGC 独自のスターム・ルガー式です。MGC SAA もこうなっています。ルガー社と違い、ボルトを起こすカムがプランジャー式ではないので、ハンマーが落ちる瞬間、ボルトがフリーになります。 カムは同じところを通るので当たり前の構造です。構造的に複雑な物を作りたくなかったのか、価格的なものなのか判りませんが、いまいちな造りです。

写真のようにハンマーのノッチが立っている物は現在では見られません。
すぐに磨り減る部分です(おまけにSAA ハンマーは割れやすい )。


写真06

素晴らしいブルー仕上げ、ちなみに46年規制では長物には規制はありませんでした。
しかし、52年規制から長物はガスバイパスが義務付けられましたが色は黒色のままOK でした。 MGC ルガー・カービンは、ストックが外せないよう(長物オンリー)に変更されました。

写真07

これは、当時のMGC の、ものづくりを表すアップ写真です。
ニップルは別パーツで鉄製削り出しです。
私などは、手抜きと省略のMGC しか知りませんでしたが、 はじめの頃は、凝ったつくりをしていたのですね。後期には、ニップルは一体鋳造になります。

MGC のクラフトマンシップ

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このようなエングレービングのシリンダーも存在していたようです。昔のMGC 製品は、私の想像していた物とは少し違うようでマニアックですね。このころにMGC 製品と触れ合った人たちは、MGC マニアになっているのでしょう。ニップルも鉄製別部品ですね。

写真09

ENGAGED 16 MAY 1843 と刻んでいます。1843年にテキサス軍とメキシコ軍が戦った海戦での 勝利を記念しています。当時のアメリカは、戦争を起こしてどんどん領土を広げていました。当時のテキサス共和国は、もともとは メキシコの領土でした。

写真10

ちなみにこちらは米国のオークションから取ってきた写真です。現代の複製品でしょう。

当日はテキサス海軍のAustin と Wharton の2隻がメキシコの戦艦を破ったそうです。
アメリカでは随分と有名な戦いのようです。↓(英語)

http://www.texasnavy.com/combat.htm

日本では、12代将軍徳川家慶が天保の改革を行い、中国では清がアヘン戦争に敗れた頃です。


写真11

な、なんだこれは?MGC の51ネービーを持っている人は知っていると思いますが 単なる金属棒のセンターピンですが、昔はこんなに立派な物が付いていたのですね。驚きです。

ついでにここに登場のモデルは、フレームの第3スクリューや銃身のキースクリューなども本当のネジが付いていました。MGC も昔は、きちっとしていたのですね。


写真12

バレルのキーは、ドバッと出ていて、まるで動きそうですね。
オーナーの手によるカスタム部品です。

このたびの頂き物の写真は、MGC の昔の姿を知らしめる重要な証拠写真ですね。
私にとって「手抜きと省略のMGC 」という概念は、数十年ぶりに覆されました。

kingdam of odd 様、貴重な写真を有り難うございました。



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