登 場

写真01 1974年(昭和49年)のMGC ニュースに載っています。このころから新規の規制が取り沙汰されていたようで、MGC ニュースにも規制見送り記事などが掲載されています。 →こちら

実際には3年後の昭和52年に新しい法規制が発効されました。
その結果、鉄を材料とするモデルガンは販売禁止となり、ステンやMP40、このスターリングなどは販売できなくなりました。

チラシに見られるように MGC は、もともとM16 E1 をメインに宣伝していましたが、このようにM16 A1 もラインナップに加わりました。 以降は、M16A1 の方がメインで売られたような気がします。

よくみるとMGC ニュースのスターリングは、フロントスイベルの付け方が製品とは違っています。


外 観

写真00
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写真03
トリガーが亜鉛の物が初期型で、右の鉄板プレス品が後期型です。グリップフレーム内側も後期型にはサブフレームが入っているそうです。

カナダ・C1 サブマシンガン

写真18

http://mpmuseum.org/smgc1.html

MGC のスターリングは、カナダでのライセンス生産モデルをコピーしていると言われていますが、やっとカナダのC1 を探し出しました。 なかなかフロントが写っている写真は、少ないです。

写真23 カナダ製から銃剣装着プレートを外してスリングスイベルを取り付けたものがMGC 製です。 銃剣は付けたくなかったのでしょうね。

写真は、左が英国標準マズルの電動ガン、右がMGC モデルガン。


写真19 youtube ではこちらにカナダ製C1 を見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=yA3FzTgJrfg


実銃と比較

写真17 カナダのガンパーツのページから取ってきた写真ですが、本物のコッキングハンドルは曲がっています。
写真21 MGC と実物の大きな違いは、フレーム取りにあります。図のように実物は、グリップフレームが存在しています。 また、トリガー機構はグリップ右のネジをFREE に合わせ抜くと、スポッとアッセンで取り外せます。

図は、カナダのC1 ですのでトリガーハウジングはプレス製になっています。 また、機構もマーク4とは全然違うものになっています。

実物では、バレルは後方へ抜きます。
銃前面のプレートは外れません。


うんちく

写真22 参考資料の書籍から取ってきたものですが、マーク4と、カナダC1はトリガーシステムが全然違います。 図の左側がマーク4で右がカナダC1です。

それまでのアームを介してシアを動かしていたものが、C1 ではトリガーが直接シアを動かすようになっています。 MGC も形は違いますが、C1 のような機構をしています。

↑の参考書籍タイトル(素晴らしい本です)
A History of the Small Arms made by the Sterling Armament Company

エジプトカスタム?

写真04 レストア依頼でお預かりしたものですが、おおさじ山盛り3杯のサビが出てきました。 メッキのスターリングなんて珍しいと思って調べてみましたら、どうもエジプトによるカスタムのようです。 あまり存在していないようです。トリガーがメッキされたものもあったようです。

気になったのは、火薬を使用したままほったらかしにしたオーナーさんは、どうなったのでしょう? と、いう事です。そもそものオーナーさんは、今回の依頼主さんではないと思います。エジプト製品を持っている人に 分解洗浄が出来ない人なんていないでしょう。エジプトのガンはチョーク式発火なので撃ったらすぐに洗っておかないと あとが大変になります。そんなことは100も知っている人しかエジプト製品のオーナーには、なれません。だいいち売ってもらえません。 ですから、このスターリングのように撃ったまま、ほったらかしているということは、オーナーさんに大変な出来事が起こった可能性があるんです。 なんだか、悪い方の想像を巡らせてしまいます。

参考にさせていただいたreybow さんのブログ
https://ameblo.jp/reybow-2019

分解注意・フェイクネジ

写真05

MGC 製品に見られるフェイクネジに注意です。良く出来ているので思わず回してしまい、痛めてしまいます。 バレルの六画ネジはフェイクです。間違って一つ回してしまいました。

グリップのネジもフェイクです。回すと欠けて悲惨になります。


写真06

グリップをバラす時には、タナカのガスガンSAAのベースピン分解ツールがちょうど良かったです。


発火

写真10
友人が粉を入れたカートで発火したときのビデオから取った写真です。
なかなかの迫力です。

重箱の隅隊

MGC のネーミングは、M-16 E1 というのを見てもやや怪しげなものを感じますが、このスターリングも 完全に間違っています。マーク5として売り出されていますが、実際はおそらくカナダのC1でしょう。 また、本家のスターリングのナンバーで言えば、マーク4が近いものだと思います。

実銃は初めのころは設計者の名を取ってパチェット・マシン・カービンと呼ばれていました。

typeNamedatepic
ProtoPrototype
Patchett
1942
MkIPatchett
Machine
Carbine Mk I
1943少数実戦投入
後期モデルでNo.5 バヨネット装着可
MkIIL2A11944
1953
正式採用
MkIIIL2A21955ここからパチェットではなく、スターリングと呼ばれる
Mk4L2A31955完成型
Mk5L34A11967サイレンサータイプ
Mk6Carbine1970米国向け長バレル
Mk7Pistol1983短銃身のピストル型
Mk81983クローズドボルト、単発式

スターリング社は、、1988年に倒産したようです。


チラシ

写真25 写真27
写真20

紙 箱

写真20 5,6年以上前にネットで収集した画像です。勝手に使用です、すみません。

MGC の箱には、はっきりとカナダのC1って書いてあるんですね、知りませんでした。


分解図

分解図_1 分解図_2


おまけの実銃断面図

マーク4とマーク5 の実銃断面図

分解図_1 分解図_2



参考ビデオ

写真25

↑の参考ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=ruD5b_T2DtU