写真x

開封して持った時に思わずつぶやいた「本当の本物」だ。


豪華パッケージ

写真00 同封の解説書に載っていましたが、リアルマッコイというのは、米語のスラングで 「本当の本物」という意味だそうです。ひとつ上の写真の話は本当で、冷たく重く青いボディーに おもわず漏らした言葉です。相場よりもすこし安く落札できたので、多少不安でしたが、一瞬で気に入りました。

凄く豪華なケースに入っていますが、付属のカートが元々の付属の物は一つだけのようです。 なんたって中古での購入なので、本当にリアルマッコイなのか、エランなのかよく分かりません。 もしもマルシンのガバが入っていたりしたら倒れますね。


モデルアップ

写真01 解説書によると一番良いころの1911を再現したということで、刻印的には このモデルということになります。この本は、軍用刻印が全部解説されています。

外 観

写真02 写真03

写真04 写真05

刃物の跡であるツールマークがガッツリと入っていて、私は好きですがこれを嫌いな人もいるかもしれません。 機械切削の証です。


写真06 写真07

写真08 写真09


小わざ炸裂

写真29 写真30
フレームの1番刻印は、組み立てた人によって番号が違うそうです。

写真31 写真32
装填式なのでチャンバーがあってバレルは抜けています。 コルト純正モデルは、チャンバーが掘られていないはずです。


謎のシリアル

写真12 私が購入したものは、シリアルの頭が16なのですが、実は付属している取説に16から始まるシリアルは 輸出用で質が悪いと書かれています(正規の製品は頭が17で始まっています)。
写真13 なんだ、なんだ??私が購入したものは、いったい何なのでしょう?
本当の本物の偽物なのでしょうか?

まぁ、でも解説書にわざわざこう書いてあるってことは、すでに初めから横流し製品の存在は有りだって 事だったのではないかと想像できます。

ネット上には17のシリアルばかりが見られるようなので、16はかえって珍しそうだから良いかと自分を納得 させました。


メ カ

写真10 A1の実銃分解写真と並べています。見慣れたパーツで実物そっくりです。ファイアリングピンは、おそらく リアサイトをずらすと外せるのではないかと思います。
写真11 プランジャーのバネは、実銃では飛び出さないように、半分くらいのところで捻りが加えられていますが マッコイさんの物は見事に再現しています。分解のたびに飛び出してくるMGC やCMC に見せてあげたいですね。

HF 金属と比較

写真33
写真34 写真35

重さもいい勝負です、また、どちらも原寸に忠実なので右写真のように気持ちよく交換できます。


リアルマッコイさんが活躍していたころ、私はモデルガン趣味は引退していて、会社名すら全く知りませんでした。 そこで、今回1911を入手したついでにどんな会社だったのかいろいろ調べてみました。 なかなかに魅力的なお話が多かったです。以下にまとめてみます。

リアルマッコイズの歴史

年 月 記 事 特 徴 価 格
(税別)
1988年 会社設立
1995年 六研文鎮ガバメント 無可動
参考: モデルガン探訪
(reybow presents)さん

参考: Gun 誌96年記事

300,000円
1997年 六研スプリングフィールド1911 装填式1000丁限定(500g)
参考: ワールドムック85
96年11月記事
39,000円
1999年 コルト1911純正モデル 非装填式1350丁限定(1000g)
参考: 発売予告チラシ
93,000円
2000年 シャトーテリー純正モデル 非装填式・限定150丁
参考: 発売予告チラシ
139,000円
2000年 1911強化素材コルト非純正 装填式・限定500丁
参考: 発売予告チラシ
95,000円
2001年
6月
民事再生法申請、 事実上倒産(関連企業が手形詐欺にあったようです)
2002年 兵庫の会社がアパレル部門の
跡を継ぐ
モデルガン部門は消滅
2002年 ELAN よりコングスベルグ
JBシャノン発売(六研30周年記念)
参考: ELANチラシ 200,000円
148,000円

エランのチラシは、昔持っていたのですがすでにオークションで売ってしまいました。
当時は興味なかったもんなぁ・・残念だ。

こうやって一覧表を書いてみるとよく分かったのですが、結局マッコイさんは基本形としては スプリングフィールドとコルト1911の2種類しか作っていません。スプリングフィールドは 六研に製作を依頼したもので、自社での管理はコルト1911のみです。 製作総指揮は車評論家で有名な福野礼一郎さんだそうです。 さすがに良い製品に仕上がっていると思います。


福野礼一郎さん

写真20 製品の解説書も福野さんが書いているそうで、前作は失敗でしたとも読める書きようは、 潔いです。普通自社の失敗は絶対に認めないのが会社というものですが、福野さんは会社外部の人のようなので このように書けたのでしょう。それを許す会社も立派です。
写真21 Gun 誌 1999年11月号のくろがねさんの記事にインタビュー記事が載っています。

すごい男たち

写真23 これはモデルガンに付属してきた解説書の最後のページですが、ここに載っている方たちは、 凄い人ばかりです。右上のClawson さんは泣く子も黙るガバの本の大家です。

社長さん

写真22 社長の櫻井さんの記事が1998年8月号ライダーズクラブにありました。
10年ほどで150店舗、30億の商売をやっていると礼賛されています。

三島さん

写真24 社長の次に載っているこの人、アメリカ側企画製作の三島瑞穂さんって、この人と同一人物でしょうか? この方は、すでに亡くなっているようですが、まったくすごい経歴の人です。Wikiでどうぞ。

岡本さん

写真25 解説書には名前が出てきませんが、マッコイさんを調べると必ずこの人にたどり着きます。 この人のマックイーンへの愛がすべての原動力です。 その人とは、イラストレータの岡本 博さんです。こちらのページを見るとよく分かります。

https://www.virginharley.com/interview/ownerinterview53/

リアルマッコイ創立の際は会長さんとして所属していらっしゃったようです。 マックィーンが映画大脱走で着ていた A-2 というフライトジャケットを捜し歩き、やがて複製を製作し それを欲しがる人が大勢いて、じゃぁ会社を作って売ろうということになり、リアルマッコイができたようです。 岡本さんの元には趣味を一にする人たちが集まり、そのエネルギーからモデルガンも誕生したようです。
ワールドムック85の表紙も岡本さん作品

現在の岡本さんのお店↓

写真27 http://www.toys-mccoy.com/

未解決の謎

どうでも良いことだとは思うのですが、マッコイさんに関してまだまだ謎がたくさんあるのです。 ネット上には答えは無いのでどなたかに教えてもらうしかないようです。
何か情報ありましたら教えてください。
  1. どうしてマイナーなスプリングフィールドモデルを選んだのか?
  2. ランパントクラシックとマッコイの関係は?
    マッコイが名付けたロックライトと言う材料の名称をランパントも使用しているので 何らかの関係があったと思われる
  3. エランさんはどういう立場だったのか?
  4. スライド内部のひょうたん型って何?
  5. コルト社の一次大戦記念モデルは4種類あった のにどうしてシャトーテリーを選んだのか?
  6. シャトーテリーのグリップメダリオンの作りが実物と違うがどうして?
など、ボチボチ調べていきたいと思います。

おわりに

写真36 なかなか好きな事を仕事にするのって難しい時代ですが、その夢を成し遂げた人たちの話って面白いです。 夢半ばで散っていった人たちも大勢いますが、その時その時に出しうる最大のエネルギーで作ったものは 最高に光り輝いています。まさに「本当の本物」です。

今回の1911ガバメントも手にすると冷たいのですが、そこにはたくさんの人の熱いエネルギーが詰まっているんだと強く 感じました。


オマケ

写真25