ガバ盛り

亜鉛合金製・金属モデルガン
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「大将、ガバ盛りひとつ」、「へい、おまち」って感じで頼めたらどんなに楽しいでしょう。
21世紀になってもホビーフィックスが金属ガバを販売していましたが、どうも最近は作っていないようで、とうとう金属ガバは完全に消えてしまいました。
ガバ盛りを食べることは、もう無いでしょう。

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本日のメニューです。写真を見ただけでメーカーが判る人はそうとうなつわものですね。
お皿に載っている物がホビーフィックス製で特別扱いです。 その他の物の売っていた頃から25年経った製品ですので単純比較は出来ませんが 金属ガバ決定版として登場願っています。

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メニューの中で最も生産数が少ないと思われるものは、これでしょう。
ホビーフィックスのコマーシャル・ミリタリーです。
同社金属ガバの最後を飾った物です。

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モデルガン史を見ますとこのCMC 2型の先輩1型がもっとも早くに登場し、そのあとMGC だそうです。 たぶん一番売れた物は、このCMC 2型ではないでしょうか?
そこで、これを基準にいくつか比較してみます。

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CMC 2型の特徴は、鬼の角のように上を向いたハンマー、ちょっと四角いトリガーガードです。 この写真上のスライドストップはレストア品です。実際のオリジナルは下にあるコマンダーフレームのように、 か細い感じです。52年規制から30年経っていますのでなかなかオリジナルパーツのみの個体は見かけません。 あちこち入れ替わっていたりします。

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CMC 3型と並べました。トリガーガードがやさしいカーブになっています。
ハンマー形状やグリップセフティも違いますね。
この3型は、歴史に残る名機となるべく生まれましたが、すぐに52年規制により販売できなくなり 消えてしまい、まぼろしの名機となってしまいました。 何千万もかかる金型なんかどうなったのでしょうね?国が相手だと損害賠償なんかも出来ないのでしょうか?
ともかく、とんでもない規制で製造業者は大変なことだったと思います。

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3型になって初めて本物のようなマガジンキャッチが採用されました。
板バネをグリップで押さえ込む方式から抜け出したのは、日本初です。
子供の私は、実物のマガジンキャッチも板バネ式だとずうっと信じていました。

上のCMC 2型のグリップはホビーフィックス製で、ネジはウエスタンアームズのガスガン用です。


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CMC 2型とMGC GM−1後期型です。
写真でも、なんとなくMGCのグリップが短いのが判ります。
以下想像ですが、好きで短く作ったのではないと思います。当局からモデルガンには、実銃部品が 使用できないことと指導を受けていたのではないでしょうか?
CMCのほうもグリップスクリュー位置がほんの少し実物と違います。
反骨精神満タンのCMCは、ほんの少しだけずらし、MGCは、まじめに数ミリ短くしたのではないでしょうか。 当時のモデルガンは、どれも実物カートが入らないように薬室も小さく製造されていました。

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こちらはマルゴーさんとの比較です。 発火形式に違いがありますが、この2つは兄弟のように似ています。マガジンは相互に使えます。 ハンマー形状も似ていますね。 トリガーガード上部の形状が「なんだこりゃ?」というのがマルゴーの特色です。 どうしてわざと狭くしたのかナゾでしたがCMC2型と比べていたらひとつの物語が思いつきました。

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マルゴーはCMCのコピーを作ったが、あまりにも似すぎてしまい「こりゃまずいのでは?」 と考え、トリガー部分に手を加えたのではないでしょうか?・・あくまで私の想像です。

スライドを交換してみましたがCMC フレームにはバッチリ、マルゴーが入ります。
マルゴーフレームは、エジェクターが厚いのでCMC スライドは写真のところまでしか入りませんでした。


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ついでに、まぼろしの名機CMC 3型をホビーフィックスのフレームに入れてみました。 バッチリ入ります。逆は、ホビーフィックスの方がかみ合い部分が薄いのでCMC には、まったく入りません。 25年の年月で部品精度が上がっていることを感じます。また、両者は実物マガジンが完全に使えます(HF は、タニオメカをはずしたとき)。

ホビーフィックスはスライド厚みが実物に近いと自負しているので、CMC 3型もかなり精巧に作られていた物だと 判りました。

そこでスライド厚さを測ってみました。


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HFCMC 2型マルゴーMGCCMC 3型コクサイ

なんだかリアサイトの位置が微妙に違いますね。
排莢口は、ホビーフィックスが小さめです。


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皆さんそれぞれのお尻です。発火方式が違うので根性入ったマニアはこの写真だけで メーカーを言い当てることが出来ることでしょう。
この中で後方から差し込む長いエキストラクタを実際に装備しているのは 一番左のホビーフィックスだけです。HF 登場の25年前には、そんな精巧な部品を持った製品は存在していません。

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HFCMC 2型CMC 3型MGCコクサイマルゴー
0.9160.9400.916 0.9540.9450.940

実物図面から0.916 インチがスライド幅だとわかりました。
計測してみますとホビーフィックスが実物どうりな事は想像していましたが、 CMC 3型も素晴らしい出来栄えです。このように力の入った製品も、なすすべも無くかき消された52年規制が恨まれます。

鋳物なのでスライド下の方が金型抜きのため広いです。
また、真に平滑ではないため 少数以下3桁目は、くるくる変わります。あくまで参考値と思ってください。


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バレルも各社各様ですが、基本的には、よく作っていると思います。 MGC GM-1 後期型はごらんのような格好ですが、GM-1 初期型はちゃんとしたリンク形状です。

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昭和代表のCMC 3型のバレルと平成代表ホビーフィックスのバレルです。 すこしCMC の物は短いようです。この二つのあいだには25年の月日が流れていますので 単純比較は出来ませんが、昔も今もよく出来ていると思います。

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平成盛りは、これだけしか用意できませんでしたが 数十年後にはひとつも無いかもしれません。 何とかしてこの、重く精巧なガバメントの味を、ずっとあとの子供たちにも、ぜひ味わってもらいたいものです。


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