写真00

ACRO(アクロ)という韓国メーカー製です。FN 1900 は、銃器マニアにとって世界初の量産された自動拳銃として 興味深いものですが、朝鮮半島の人々にとっては、特別な意味を持つ拳銃なのです。後ほど紹介です。


写真01

もともとヤフーオークションで見つけて買いたいと思っていたのですが、即決2万円に躊躇している間にいつも先を越されていました。そうだ、いっそ海外から買ってみよう、と思い立ちeBay にて購入。お隣の国、韓国から送ってくるので3日ほどで来るのかと思っていましたら、けっこう日数がかかってアメリカから買うのと変わりませんでした。

写真のようにエアメールで到着、セキュリティシールが貼られています。開封検査はされていないようです。


費用的には、約一万円。オークションのスタート価格と同じなのでまぁ、お得ではあるが近頃は激しく円安なので、 時期としては悪かった。

FN 1900 プラ製
エアコキ
$49.99 16日
満足度
送料$17.99
合 計$67.98
( \9,588)

外 観

写真02 写真03

写真04 写真05

写真07 写真09 マガジンキャッチも実物どうりに作られています。 また、マガジン上端にはダミーカートが据え付けられていて大変マニアックです。


写真08 写真06

写真10 写真14

エアコッキングなのでスライドを引くのは固いです。赤いキャップは、バレルではなくって上の穴に入れてくれているのは 有難いです。バレルにも刻印が入っています。


刻 印

写真12

印刷ではなくって、きれいに入っています。上の実物写真をよく模しています。


CMC と比較

写真11 写真13 FN 1900からFN 1910 への華麗な進化が見て取れます。
右の写真は、CMC のマガジンをエアコキに入れています。ほぼ同じ大きさのようです。


実銃 と比較

写真15 実銃の写真と比較してみました。写真というものは、広角になりますのでスケールアップは難しいのですが、 おおむね同じ縮尺にしています。写真右側の格子はインチサイズだと思います。写真の上二つが1900で、右下は1899です。 ほんのすこし1900の方がバレルが長いようです。

FN 1900 は、75万丁も作られた上に世界中にコピー品が出回ったそうなので、正確な大きさは分かりませんが 書籍によると全長は、162mmと174mmくらいの2種類になりそうです。

写真右下は、FN 1899 で最初にFN で量産されたものです。それをベルギー軍が小改良して採用したものと同サイズなものが FN 1900 なのです。トリガーガード上方の補強の四角形の大きさが違います。また、ランヤードリングがありません。 トリガーガードも小さく、お尻は丸くなっています。

ACRO のエアコキは、なんとなく外観が1899の方に似ています。お尻が丸くてトリガーガードが小さいです。 元にしたモデルがコピー品かライセンス品で、こういう形をしていたのかもしれません。


韓国製FN 1900 は3種類

いろいろ調べてみると韓国製のFN 1900 は3種類ある事が分かりました。 ここに紹介のACRO 社では、同じエアコキのフルメタル・モデルも存在しています。

また、Toystar 社ではタニオ・アクションのような逆ブローバックシステムのフルメタル・モデルが存在します。 いずれもフルメタルなので購入できませんし、誤って購入すると捕まる可能性がありますのでやめてください。 運よく?輸入できても早朝ピンポンで家宅捜索されてたくさん押収されて挙句の果て罰金を収めるとなると たいへんな火遊びになります。まして社会人ならば職も失いかねない危険を伴いますのでご注意ください。

いずれも同じ外観をしていますので共同プロジェクトではないかと思います。

会 社種 類概算価格輸入
Acro社プラ製エアコキ$50
フルメタル・エアコキ$110×
Toystar社スライドアクション
フルメタル
$110×

参考ビデオ

どちらも韓国語ですが、良い内容です。とくにACRO エアコキの分解は参考になりますね。 ちなみに私は、アニョハセヨとカムサムニダしか分かりません。

acro社モデルhttps://www.youtube.com/watch?v=SzONQmUWb9s
Toystar社モデルhttps://www.youtube.com/watch?v=m2UhN5UgOU4

2社のモデルは外観は同じですが構造が全然違います。
Toystar社のモデルは、大昔のMGC コルト・スペシャルと同じ機構で面白そうです。また、実物構造をなるべく再現しているようで 丁寧でマニアックなモデルガン作りだと思います。

↓こちらは内容はたいしたことないのですが、おねいさんがかわいいので必見です。ACRO社とToystar社製品を比べています。

https://www.youtube.com/watch?v=UIMcJ91nTCE


Toystar猛烈紙箱

写真17

Toystar 社の紙箱は、なんとも強烈なパッケージです。指の無い手形が物々しさを表します。調べてみると 日本の千円札にもなった伊藤博文氏を1909年ハルピンで暗殺した犯人の手形です。日本にとっては犯人ですが、 朝鮮の人にとっては祖国独立を訴えた英雄です。

薬指がないのは、12人の仲間とともに命を懸けて大韓国の独立を果たそうとの決意で指を切り落としたそうです。 すごいですね、強烈すぎます。血判どころではないです。

この暗殺に使用されたのがFN 1900であり、当時大韓国を併合しようとしていた日本への独立運動のシンボルです。 犯人、安重根(アン ジュングン)は、韓国では英雄なのです。


おわりに

写真18 日本から見るとテロリストですが、殺された伊藤さんもそのむかし、高杉晋作が挙兵したときに真っ先に駆け付けた同士であり 当時は立派なテロリストでした。その後徳川時代が終わり伊藤さんは明治の偉人となりました。

こちらから見る風景とあちらから見る景色とは、まるで違うことが恐ろしいです。絶対現象としては一つですが、 相対的なとらえ方はいくつもあるということでしょう。人間の社会は、絶対値ではなくって相対値で回っていますので 常にこちら側からだけでなく、あちら側からや上から、下から、時には裏側からも見る力を持つようにしたいものです。


おまけ

写真19 珍しいアングルの実銃写真です。バレル上の穴には、ふたは無くフローチング状態のリコイルガイドプレートが見えます。 コッキング状態では少しへこんで撃針に引っ張られている事が分かります。この状態で銃口を向けられたらヤバいです。

ブローニング特許4連発

写真20 ブローニングさんは、このころ乗りに乗っていて拳銃特許を4つ同時に取得しています。 左からガスオペ、パラレルルーラー、バレル回転式、ブローバック式です。やがてコルト・マシンガン、コルト・ガバメントに進化しています。右端のブローバックは、リコイルスプリングと撃針スプリングがそれぞれ存在しています。

FN1900 への特許

写真21 この特許モデルになると改良されて撃針スプリングは無くなり、FN 1900 の元になりました。

小口径は、なかなか製品化しないコルト社に対してイライラしていたブローニング氏は、ベルギーFN 社のセールスマン Hart O. Berg 氏の誘いに乗りFN 社での製造を認可しました。Berg さんはライト兄弟の特許のヨーロッパ使用権を持つなど たいしたセールスマンでした。ブローニング氏との商談の成功により、自転車製造で有名だったFN 社が世界的な銃器メーカーとして 歩み出す歴史的一歩になりました。

参考URL


参考書籍

写真22 FN Browning Pistols, Side Arms that Shaped the World History

アマゾンで探してビックリ、在庫がないのでしょうね700ドルなんて書いています。安いのでも350ドル・・・在庫が無くなると 高いんですね。買ってて良かった。

こちらのページでサードエディションの予約販売を行っているようです。
150ドル+ 送料86ドル・・・送料高っ。

https://www.fnbrowning.com/book-fn-browning-pistols-3rd-editio


電子書籍

写真23 http://www.hlebooks.com/ebook/fn19load.htm

ダウンロードしてお金を払うとメールでパスワードが送られてくる。それを入れると中身が見られるようになります。