MGC・HSc

MGCのユニークな設計によるHSC2種類と国際のHScのご紹介。


2つのMGC

MGCのHSCは、52年規制まで2種類あった。ひとつは普通にスライドが引けるモデルで もうひとつがタニオアクションである。 すごい事に両者は、ほんの少しのパーツの入れ替えでどちらのタイプでも遊べるという 設計がなされていた。デラックスモデルのシア、ハンマとスライドを交換すれば スタンダード(タニオアクション)になった。実際には両方のパーツを持っていた子供は そういなかったと思うが、設計思想に若さ、エネルギーを感じる。

このHScの設計者はMGC ブローニング380 の設計者と同じではなかろうか? オリジナルの機構をそのまま丸写しにはせず、機能は同じで別構成にしている。 「物真似じゃないんだぞ!」という主張を感じる。


大雑把に描いているが、左が実銃で右がMGC。
銃身固定のラッチ、トリガーバー、ディスコネクターが 実物の機能をそのままに新たに設計されている。ディスコネクターの取り付けが 危ういがまぁ仕方ないか。グリップで飛び出しを防止している。


上がタニオ、下がデラックスモデル。ハンマー形状が違うほかは同じ。
複雑なフレームも良く作られている。戦後のHSc実銃は製作が簡単なように フレーム後端が別パーツになっている。


驚きのタニオアクション

この当時、すでにMGCではタニオの技術は確立されていたが、あえてその方式を使わずに 独自の形式を採用している。これはHScがダブルアクションの時にハンマー後方を 持ち上げる事にヒントを得たのではないだろうか。 ハンマーに「ツノ」をつけ、スライドにかませ 動かすという奇抜なアイディアだ。

ただし、ハンマー軸よりも後方で動かしはじめるので初動が重たい。
HScの実銃もハンマ後方で回転させるので、撃ったことはないがダブルアクションの引き味は 悪いのではないかと想像してしまう。


上がデラックス、下がタニオ。矢印の穴にハンマーの「ツノ」が入り込み スライドを動かす。
上のデラックスのファイアリングプレートは初期の頃の物かもしれない。 エキストラクターと別部品で撃針のモールドもない。


国際のHSc

左が国際。セレーションが大きくマガジンの底が厚いのですぐに見分けられる。
グリップもコクサイの方が厚い。
銃身固定やスライドのミゾ部分にMGC を真似したと思われる箇所がある。


国際のモデルは純然たるタニオアクション。
しっかりした作りであるが、これを受けるスライド側の爪のバネが貧弱なので せっかくの強靭なタニオシステムもうまくいかないことが多い。 もうすこし大きなバネが入れられるようにして欲しかった。

このモデルのハンマースパーは折れている。そりゃそうだろう、スパーはMGC よりも 長い上にスパーに直接スライドが当たるために衝撃が加わりやすい。 急いで作ったのか、全体の設計がいまいちに感じる。


刻印の比較

上がMGC 、下が国際。書籍の写真を見ると刻印は両社とも実物どうりである。 MGC にしては珍しい。モーゼルのマークがMGC には入っていない。MGC は昔から 気にしていたのか、マークの真似はあまり見かけない気がする。
国際はしっかりMAUSER と書いてある。MGC の3本線と国際のマークを足せば 本物と同じになる。 MGC のマガジン底部にはモーゼルマークが入っている。


実銃のHSc はワルサーPPの大ヒットにあわてたモーゼルが 対抗馬で作り上げた物だ。
戦後も再生産されたが、その美しい姿の割りに集弾性能が悪く 人気はいまいちのようだ。

写真はエアガンのPPK とMGC のHSc。
手元のむかしの資料を見るとMGC スタンダードが2,800円、 デラックスが3,000円で販売されていたようだ。


注意事項

MGC のデラックスモデルは52年規制前の物で譲渡、販売が禁じられている。
タニオの両モデルはSMG 刻印が付いている物は 販売可能だ。
昔のモデルガンの紹介はひんしゅくを買うかもしれないが、かつていろいろ楽しめたことを 今の世にも紹介したい。当時を経験した私たちが言わなければ誰が伝えるであろう。
どうして現在では売られていないのか皆で考えて欲しい。

当時からすれば、トイガンは、もの凄い進化を遂げている。 金属製モデルガンの規制も無くなってはいない。 銃規制も強化される一方だが、実社会は全然安全ではなくなってきている。 昔は一家皆殺し、幼児殺害なんて今ほどなかったと思う。家にカギをかけるのは 夜くらいのものだった。ホームセキュリティなんて考えられなかった。

この先、治安が良くなりHSc のような楽しいモデルガンで再び遊べるような世の中が 来て欲しいと願う。


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