写真00
たいへん珍しいものを借りてきました。コルト・スペシャルと言って、MGC第一号機といってもいいものでしょう。 アメリカのCAPガンであるヒューブレー(ハブリー)を改造したものです。
全部手作りのようです。
 

図00
このモデルガンの面白いのは、機構です。逆ブローバックともいえる動きで楽しませてくれます。 私は、はじめ「逆ブローバック」なるものはどういう動きをするのだろうと思っていましたが 触ってみて初めて解りました。そのうちビデオもアップするのでそれを見れば一目瞭然です。
 
スライドはカートを少しだけ押し出し、マガジンリップから外します。そしてスライドを引けばカートが 舞います。エジェクターは存在せず、マガジンスプリングの力で押し出されます。 この機構はその後MGCグリースガンにも採用されました。またずいぶんのちのベレッタポケットも 同様です。
 

写真01
今回コルトスペシャルを紹介しようと思ったのは、くろがねさんの本を購入したからです。
 
この本は、つい最近出版されたもので内容はほとんどGun 誌 に載っていたものですが 国際出版も無くなったので出版権が著作者に戻ったということでしょうか。
 
内容も濃いのですが、ただひとつホンリューモーゼルがモデルガン第一号と謳われていることが 私には残念だったのです。たしかにワルサーVP2よりも少しだけ前にホンリューが出ていますが 同時にMGC・コマンダーも販売されています。そうしてその数か月前に今回紹介する コルトスペシャルが世に出ているのです。
 
写真21 オリジナル金型ではないにしろ、この動きはまったく「モデルガン」と呼べるものです。 だいいちMGC・カタログNo.1に掲載されています。
「モデル・ガン・コレクション」=MGC ですので、モデルガンという言葉を作り出した MGCに最初の栄誉を冠してほしいものです。
 
また、ホンリューの記事の中に国際ガンクラブと似たような組織として日本MGC協会が紹介されていますが 私は逆であると思います。
MGC機関紙ビジェール3号に国際が入会用紙などMGCのものをそのまま真似していると の記事があります。
 
ともあれ、こんな時代にオヤジしか買わないような素晴らしい本を出してくれて感謝しています。

写真02
左サイドです。セフティが無いのが気になります。
もともとなのか、紛失したものかよく解りません。
 

写真03
グリップのネジは、このモデルは1本ですが、2本ネジの物も見られます。
 

写真04
ヒューブレーを改造してバレルとマガジンを入れられるようにしています。
 

写真05
もとのヒューブレーは、バレルは付いて無く、スライドを引くと巻き火薬を入れるソケットがせり出してきます。
 

写真06
大きさは、ベレッタ34ほどです。余談ですが、私はCMCがどうしてラーマのような小さなモデルを 作ったのか解りませんでしたが、ひょっとしてヒューブレーに対するオマージュだったのかもしれません。 この世代の人たちにとっては、特別な思い入れがあったのではないでしょうか?
 

写真07
グリップには立派なメダリオンがつけられています。 木の材質も良いものです。
 

写真08
内部パーツはハンマー以外は作り変えられています。
 

写真14
ヒューブレーもばらしてみました。よくこれを改造したものです。
右のフレームのチャンバーあたりを見ると分かるようにヒューブレーにはバレルを固定する 凸があります。しかし製品にバレルはありませんので、あまり本物に似すぎないように 配慮されたのかもしれません。
 

写真09
このトリガーの先に付けられたイッカクのような棒でスライドが下がるのを止めています。 よくこんな機構を考えたものです。小林さんはカラクリ名人ですね。
 

写真10
マガジンにはメッキがかけられています。ビジェールによると真鍮製だそうです。
 

写真11
バレルはただのパイプなのでオーナーさんの遵法処理で鉛で埋められています。
 

写真12
このコルトスペシャルは、ヒューブレーそのものを改造しています。
一番左のフレームは、ヒューブレーをコピーした国産の物ですが、フレームに290という 刻印がありません。真ん中と右のMGCには刻印があります。
 

写真13
一番右の物が国産コピー品です。こんなふうにデッドコピーを作って売っていたんですね。 まだ日本も貧しかったころです。今の中国が日本のエアガンをデッドコピーしているのと 同じような環境だったのでしょう。
 

写真15
コルトスペシャルとワルサーVPを並べています。
こうやってみるとバレルの固定方法やモナカ割りのフレームなどワルサーのご先祖だと ようく解りますね。
 

写真16
ブリーチの固定方法も同じ方式です。左がワルサーVP2。
タニオアクションの初めての作品ですが、コルトスペシャルでの経験が役立ったことが 想像できます。
 

写真17
国際のGun 誌が出る前に存在していた拳銃ファンという月刊誌の1962年3月号に コルトスペシャルが登場しています。4,200円と他のCAPガンよりも高いです。
 

写真18
拳銃ファンからガンファンへと名前を変えた9月号にはMGCコマンダーとホンリューモーゼルが 登場しています。ホンリューは5,000円と凄いお値段です。
 

写真19
日本にモデルガンという特殊な文化を創り出したのは、間違いなくMGCがスタートだったと いうことを知ってほしいです。コルトスペシャルは、動作させるとこれが完全にモデルガン と呼べる製品だと実感します。
 

写真20
MGCは、CAPガンを黒く染めなおして販売することから始まり、小林氏の参加により 遊べるメカを大事に成長していきます。ヒューブレーを改造したコルトスペシャルから 発火できるコマンダーを製作し、同年に初めてのオリジナル金型によるワルサーVP2を 発表します。その後は、発火中心主義を貫き、やがて日本初のブローバックモデルへと発展していくのでした。
 

おまけビデオ

音あり、8分45秒・・・ちと長すぎた。↓