二十六年式拳銃弾

(国産初の拳銃弾、1893年・明治26年軍採用)

右は、26年式拳銃オリジナル弾4発。左側は戦後のミッドウェイ社製造のレプリカ弾3発。 ミッドウェイ社のものは、おそらく現在は売られていないのでは無かろうか?
こんなレアな銃弾まで製造しているのだから、アメリカ人というのは、撃つことに対して 貪欲なのだろう。銅被覆のフルメタル弾頭が付いているが、オリジナルは右のように鉛弾頭である。


26年式拳銃は、ライフリングが普通のものではなくて、なめらかな四角形を切ったような物だったと思う。
それは、その時代によくあったものであるが、ライフリングの山径と弾頭の径が 同じという大問題があり、ほとんどライフリング効果が出ずに集弾性能が非常に悪いという レポートをGun 誌で読んだ記憶がある。
国産初のピストルであり、見よう見まねで作ったせいか? はたまた、銃の製作と弾丸製作がまったく別のところで行われたせいなのかもしれない。
いずれにしても当時の試行錯誤ぶりが、うかがい知れる。100年以上前のお話である。

その後、よく考えてみたら鉛弾頭であるのならば、それでも良いのかとも思えてきた。
先込め銃の時代からライフリングはあった。銃身の先端から弾を入れるのだからライフリングの谷径より小さいはずだ。 発射の威力で鉛弾頭が少しふくらみライフリングに食い込むようになっている。
26年式もやわらかい鉛弾頭であるからOKなのかもしれない。 現代のレポートで銅ジャケット弾頭などを使用すると「さっぱり、当たらない」ということになるかもしれない。


伝火孔は二つ。プライマーは当然ベルダン型。当時、日本の銃弾は全てベルダン型のようである。 プライマーを入れ替えて薬莢を使いまわすなんて誰も思ってはいない時代だ。薬莢は消耗品だという発想。 ヨーロッパ系は、今でもベルダン型が多い。

写真が旨く撮れなかったのでフォトショップでエフェクトかけている。



薬莢のヘッドスタンプは、何も無い。当時は弾の種類も少なかったであろうから 別に無くても困りはしなかったと思われる。しかし、92式機関銃弾と99式小銃弾の ように「ぱっと見」同じような弾丸でもヘッドスタンプは無い。どうしてなのであろう?


357マグナム26年式オリジナル日本製32日本製32SW日本製
38スペシャル26年式ミッドウェイ社32コルト 32SW
 38スペシャル改32SWロング 

日本製の弾は、いずれも昔の物である。

38スペシャル改というのは、写真小道具用に38スペシャルのケースを金のこで切ったものである。38スペシャルのリムが厚いのがわかるかな?

上の写真はリムの薄さを表そうとしたが、旨くいっていない・・写真撮りは、実に難しい。
リム厚が薄いのは、当時ではこんなものであったろうと想像できる。 38スペシャルなどもデビューした時は、もっと薄かったのかもしれない。写真は最近の製品である。

日本製の弾は、大、中、小とみなヘッドスタンプが無い。
アメリカ製の物は、プライマーがボクサー型なので真ん中に大きな穴がある。


反省
ここのページの写真は、いまいちな物が多い。
小さな物は、「ビシッ」と撮るのは難しい。光量を上げれば、影のない、締まらない画像になるし 光量を落とせばピントに狂いが来る。いやはや難しいものだ。


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