6.5x52 カルカノ・ライフル弾


左カルカノ6.5mm弾と右7.35mm弾


カルカノ・ライフルは、1891年イタリア軍初の無煙火薬ライフルとして採用された。設計は Salvatore Carcano 氏だが 弾倉にマンリカ式を採用しているためマンリカ・カルカノ銃 と呼ばれることが多い。
1938年に6.5mm弾が他国に比べ威力が弱い事から口径を7.35mm に大きくしてモデル1938が新規採用されたが すぐに第2次大戦にイタリアが参戦した事で、複数の弾薬を使用することを避けた軍により再び6.5mm 口径に 戻された。それをM1891/38 ライフルと呼び、2次大戦のイタリア主力兵器である。上図イラスト。
35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディを暗殺したとされるのもこの型である。

機関部はモーゼル98を参考にしている。
ロッキングラグは薬室部の2個のみでモーゼルのようにボルト下部には無い。 また、ボルト最後部の安全装置のつくりがモーゼルに比べ脆弱なためモーゼルは「名銃」でカルカノは「ボロ」だと言われる。 図のようにクリップごと装填する。クリップがないと単発でしか撃てない。 黄色で描いたフォロアーが弾を下から上に持ち上げる。

こちらカルカノ銃の詳しいページ(英語)。↓

http://personal.stevens.edu/~gliberat/carcano/

クリップは、おそらく全弾撃ち終わったら自重で落ちてきたと思う。

マンリカ式弾倉は銃の下部にクリップの落ちてくる穴が開いているため、砂などの進入が防げないため 2次大戦後は使用されなかった。


6.5mm 弾と7.35mm 弾のクリップは同じ物だ。したがってケースサイズもほぼ等しい。
クリップキャッチにかかる凸が真ん中に付いているので上下は関係ない。 私は真鍮製のものしか持っていないが、スチール製もあった。というか鉄製の物の方が多いと思う。
クリップは現代もカルカノ銃のためにスチール製が生産されている。

6.5mm 日本軍
リムド
6.5mm オランダ
リムド
6.5mm カルカノ 7.35mm カルカノ 30-06 米軍

口径順に並べているが、丸っこい弾頭の物がより古い物だ。
昔は日本もドイツもアメリカも丸っこいラウンドノーズという弾頭だったが、やがて 飛行性能が悪い事が判り二次大戦の頃には、みな尖った弾頭に変わった。

左の二つはリムがケースより大きい、リムドと言いケース径と同じものはリムレスと呼ぶ。 昔の弾はリムドの場合が多い。
右の二つは軍用弾頭ではない。鉛が見えるソフトポイントと先端に穴のあるホローポイントだ。 戦争では、より相手を傷つけるこのような弾頭は使用禁止である。現代でもフルメタルジャケットという 被覆された弾頭を使用しないといけない世界ルールになっている。
逆にハンティングの世界ではフルメタルはあまり使用されない。


弾の裏は何故だかミゾになっている。イタリア弾の特徴。

クリップの刻印は製造所を示すSMI と年号であろう。SMI とは
Societa Metallurgica Italiana
(イタリア造兵廠ってかんじ?)。

AAとはイタリアのAdamo Aldo をあらわす。
C−38は1938年製という意味だろう。
937は同じく1937年製。
詳しくはこちら(何語かわからない)↓

http://www.municion.org/65x52/65x52.htm


このような紙箱にクリップが付いて3セット入って供給されたようだ。

ケネディ暗殺事件

1963年、当時35代アメリカ大統領であったケネディ氏が遊説中ダラスにて暗殺された。 まだ幼かった私は友人が興奮気味にしゃべる事が何を意味するのかさっぱりわからなかった記憶がある。

ケネディは43歳という若さで大統領選をニクソンに僅差で勝利した。 理想主義者だったのか強権による軍事行動には、賛成せずビッグス湾事件、キューバ危機やベトナム戦で軍、CIA と対立した。 また、キング牧師に手を差し伸べた事により白人至上主義者の反感も買った。 アメリカの将来のためにならないと思った一部の人間により陰謀は企画され実行された。 次期大統領選挙に向けての遊説中オープンカー上にて狙撃され死亡した。享年46歳。 その名は空港やロケット基地に残っている。


この事件に使用されたとされるのがカルカノ銃である。

しかし私はカルカノ銃は使用されていないと思う。 なぜなら事件の報告書にクリップや残弾のことが全然出てこないからである。

絶対に失敗の許されない大勝負にこのような銃を使用することは考えられない。
考えられる事は、証拠捏造部隊が3発のカラ薬莢とカルカノライフルのみを現場に持っていったので 残弾やクリップは持っていかなかったという事である。カルカノの構造を知らない人間が 段取りしたのであろう。

薬莢3発というのも不思議な物だ。おそらく狙撃手は3名いたと思われるが 少なくとも4発が発射されていると思われる。当初一人一発ずつとの予定だったのか? ケネディの前面から撃った人間は一人なので一発しか撃っていないと思う。 背面からの射撃が2名だとしたら同じ条件なので2発ずつ、合計5発発射されていても不思議ではない。 だとしたら証拠部隊は薬莢を4個置いていてもよかったのではと思ってしまう。

この事件とキング牧師暗殺事件は大きな陰謀によって行われたと私は思っているが、 その内面が現在でも隠されたままなのはアメリカという国の真髄を表していると思う。

前田氏のケネディについてのすさまじい執念のページ是非ごらんあれ↓

http://www.maedafamily.com/


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