S&W モデル3・ホルスター

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なんだか、とっても古そうなホルスターを入手しました。
形からいってS&W・モデル3用に間違いありません。
S&W モデル3 は、日本海軍が明治期に初の装備拳銃として購入していたものです。


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裏側は、このようになっています。ベルト通しのところは、2段に縫われていて強化されています。


写真02

内側には、赤い布地が貼られていて、丁寧な作りです。
装飾布が貼られているので、おそらく軍用ではありません。
コマーシャル用に作られたものでしょう。


写真03

縫い方もチエン・ステッチといって、一ヶ所が切れたら全部抜けてしまう縫い方です。
ジーパンの すそ上げに、この縫い方が施されています。

縫い目が奇麗に整っていますのでおそらくミシンで縫われているのではないでしょうか?
ミシンは、1850年にシンガーの発明により、すでに世に出ていました。 S&W モデル3は、1872年にファーストが登場します。日本軍が購入したニューモデル3ラシアンは、1878年(明治11年)から製造されました。


写真04

ベルト通しの部分は強化されています。ホルスターの表面には、厚い革の上に艶のある薄い上級な皮が貼られています。 非常に丁寧に造られているホルスターです。まだ、拳銃そのものが珍しく、高価だったころの時代の物ではないでしょうか?


写真05

軍用ホルスターについては、写真の洋書に日本軍の解説図面があります。形状は、このホルスターと全く同じものです。


写真06

こちらの本には、写真が掲載されています。貴重なものです。

この書籍は、オール・オリジナルな物の写真で大変に貴重な資料です。お勧めです。
須川薫雄 氏のホームページの「書籍のご紹介」から購入できます。

http://www.日本の武器兵器.jp/index.html


写真07

このホルスターは、あきらかに民間用だと思いますが、当時こんなに大きな拳銃を使った人ってのは、どんな人だったのでしょう。 退役軍人さんか大金持ちくらいではないでしょうか?
ひょっとしたら警察が使ったのかもしれませんね。

明治期に作られたのではないか?という製品に巡り合えて幸せでした。歴史の重みを感じます。

このホルスターには、六研のラシアン・モデルがお似合いだと思っていたところ、 子連れ狼 さんが ホルスターに興味があるとのことで、旅立ってもらいました。お似合いのGun とともにブログを飾ってください。


追 記

大写真へリンク 子連れ狼さんから、すばらしい写真をいただきましたので掲載させていただきました。

リンクを開くと幅1024 ドットのでっかい写真が別窓で出ます。

このモデルは、六研の無可動モデルガンに
名匠 井浦 勝雄 氏がエングレーヴを施しています。また、グリップはマイスター kingdam さんの手作りによる物です。その素晴らしさをご堪能ください。

子連れさん有難うございました。



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