WA・真鍮製ルガー

偽レーサーTさん撮影の写真を使用させていただき書いています。
Tさん、Ruger のオーナー様、有難うございます。
写真12

今では、国宝級といっても過言ではない真鍮製のルガーです。
写真だけでは、金メッキの亜鉛モデルガンと違いが判り辛いですが、そうとうに重たい物だと思います。削り出しで製作されているので、鋳造の亜鉛モデルガンとは、誤差がまったく 桁違いに小さく製作されていることでしょう。


写真11

ダミーカートは、小道具で実際はシリンダーにインサートが入っているのではないでしょうか?
それにしても、すごいシリンダーの傷です。ボルトはスチール製でしょうね。
このモデルは、広告の写真でも、これくらい 傷が入っているので、もともとカート装填時にボルトが下がりきっていないのかもしれません。

このブラックホークは、3スクリューの旧型をモデルアップしていますので、機構はSAA そのもので、 のちのニュー・スーパーブラックホークのようにトランスファーバーはありません。


WA と六研

写真00

写真01 今では、知らない人がほとんどでしょうから、ちょこっと歴史を・・。

1974年(昭和49年)11月号のGun 誌広告です。
もともと早撃ちシューターの国本氏の使用するモデルガンは、六人部氏が作った真鍮製のSAA でした。やがてアメリカ修行から帰国した国本氏は、モデルガン販売に乗り出し六研と組んでWA を立ち上げます。もっぱら高級・真鍮製モデルガンを目指していたようです。

広告のモデルガンは、すべて六研の真鍮製です。当時のこのお値段は、亜鉛製モデルガンが5,000円くらいの頃ですので、とんでもなく高かったです。
少年だった私は、「いつかオトナになったら、僕にも買えるんだ」
と、思っていました。


結局別れる?

写真02

1976年(昭和51年)2月号のGun 誌広告ですが、下の写真のように六研とWA は、別々に広告を出しています。

あくまで想像ですが、プラ製のSAA のように安価に良い物を造ろうとする六人部氏と高級品路線の国本氏の目指す物が違ったのかもしれません。
六人部氏は、販売関係は苦手だったのか、CMC を販売代理店として手を組んでいます。

左ページの六研製Kar98 は、結局頓挫して販売されませんでした。
数年後にCMC が復活させ販売しました。


写真03

写真04 同号に真鍮製ブラックホークが載っています。
はじめは357マグナムでした。
シリンダーには、フルートが入っていてトリガーガードは丸です。

WA は、はじめからアリゾナという販売会社と一緒に広告を出しています。


44マグナム登場

写真06

写真05 1976年(昭和51年)8月号のGun 誌広告に44マグナムのスーパーブラックホークが登場します。 ワイドハンマー、ノンフルートシリンダー、角トリガーガードが外見の違いです。

私は、シリンダーは357と共通ではないかと思っています。商売上手な国本氏のことですので、 わざわざフレームを替えては製作していないのではないかと思っています。

ちなみに実銃のごく初期の物は、357と44は、同じフレームです。ところが雑誌に44マグで壊れたと書かれた為に怒ったルガー氏はフレーム強化したスーパーブラックホークを開発しました。


同時にハドソンも

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また、同号にはハドソンから亜鉛製のブラックホークが販売されています。
私は、ハドソンの物はWA の製品を原型にして金型製作されているのではないかと思っています。

広告下段には、MGC 44オートのコピー品の41オートが載っています。すこしMGC よりも小さな製品です。すぐに52年規制で消えましたので、めったに見かけることはありません。


乗ってる国本氏

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同号の第一特集は、国本氏の二式短機関銃です。

国本氏は乗っていました。今みたいに太ってはいなくて格好良かったです。
このあと鉄製のウィンチェスターを造ったりしています。それはコクサイから販売されて 警察沙汰になったいわくつきの物です。結局裁判で真正銃ではないと認められたようです。

当時 sm自主規格で製品を縛っていたモデルガン界にあって、smなしの真鍮モデルを製造販売する国本氏と六人部氏は、ユーザーの憧れではありましたが、警察側にはモデルガン規制の良い口実にされてしまいました。おかげで、このころ盛んに鉄製長物を作っていた御子柴氏のミコアームズも52年規制で消えちゃいました。


WA & Hudson

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本体フレームとグリップフレームの、あわせ面が平滑なのが削り出しの証です。

ハドソンのモデルにWA 製のハンマーも使用できたようです。
ハドソンのブラックホーク群がワイドハンマーになったのは、smG 規制後です。

偽レーサーTさん、オーナー様、写真使用させていただき有難ございました。



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