南部式小型拳銃
Baby Nambu

これは、また凄い、新品状態のベビー南部。
1903年より南部式拳銃(グランパ)が製造開始されたが、ほぼ同時期に小型拳銃の方も 製造が始まった。1903年から1923年まで東京砲兵工廠にて5,900丁、1923年より1929年まで 東京瓦斯電気工業株式会社(TGE)にて550丁製造された。
TGE は歴史ある航空機メーカーでもあり戦後いすず自動車の基点にもなった。


オーナーによると新品状態でバレル内にはグリスが詰まったままだそうだ。
写真で見てもまさに新品。この銃がどのような歴史をたどってきたのか興味津々である。
マガジンボトムは、ごく初期の製品のみグランパのような木製だが写真のようなアルミ製のほうが一般的だ。


まさに傷ひとつ無いフレーム。手作りのグリップ。
マガジンキャッチは、グランパのような溝はない。


なんとも日本的な部分。私はグランパとベビーはトリガーガードの大きさが同じだと思っている。


その条件でグランパの写真と重ねた合成写真です。
8mm南部式とまったく同じ構造で7mm南部弾用の小型拳銃をどうして作ったのか判らない。
32ACPくらいでストレートブローバックで作った方が良かったと思うのだが 、それは現在から考えればの話である。時は、世界的に自動拳銃が出始めた頃の話で 製造者も8mm、7mmのどちらが受け入れられるか判らなかったであろう。
ベビー南部は、その仕上げの良さから軍?の成績優秀者に天皇陛下より賜った刻印のモデルも存在する。


左から
7mm南部弾 8mm南部弾 30ルガー弾 30モーゼル弾

8mm南部弾はあきらかに30ルガーを手本にしたと思われる。
時代は右になるほど古い。
7mm南部は、わざわざボトルネックにする事もなかったであろうと思われるが 後からでは何とでも言えるのである。100年以上も前の事なのだから。


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