(10)eBayに挑戦

(海外オークション体験記)

アメリカのオークションサイトeBay は知っていたが、外国なので気後れして、見てもいなかった。 ところが、検索しているとミリタリーの日本軍の部分に行き着き、出品物を眺めていたら あまりの素晴らしさに心が動いた。「とって食われることも無いだろう」と、つい申し込んでみた。

さっさと流れる申し込みページは難なくクリア。こりゃ凄い、本人確認も何もありゃしない。 住所氏名とメールアドレスさえあれば誰でも入れる。 さっきまで眺めていただけの門外漢の私が、5分後には入札に参加できるのである。 あまりのあっけなさに驚いた。


加入6時間後

早々に入札してみた。また、いくつかの物はUS国内しか発送しないと書いてあるが 質問してみたらたいていは、20ドルから30ドルで日本へも送ると回答があった。
eBay の質問システムはヤフー・オークションと違って非公開だ。また、WEB 上でやり取りも出来るので Eメールアドレスを相手に教えない事もできる。

珠玉の出品物が「やけに安いなぁ・・」と、思っていたら通貨がUS ドルではなくGBP(グレートブリテン・ポンド?)だったり、ユーロだったりして楽しい海外ショッピングを体験できる。

{注意}刀剣や銃器のパーツは購入できないし輸入も出来ないので入札してはいけない。

せっかくなのでショップが出している物で「一発購入品」を買ってみた。
たいていの出品者はPayPal に加入しているので支払いも楽チンだが 私が購入したショップは、加入していなかった。支払いがどうなる物か判らなかったが 相手がショップなのでかまわず落札。

物はどう見ても「黒い」南部ホルスターである。いつも参考にしている洋書によると 黒色もあったらしい。しかし写真4枚だけなので黒色とは確信は持てない。 まぁ、「茶色だったらヤフーにでも出そう」と逃げを自分に言い聞かせ支払いに走る事となった。
どんな物が送ってくるのか楽しみである。


加入22時間後

払いは小切手を相手住所に送りつけるだけのようだ。さっそく銀行へ電話した。
思っていたとおり家の近所の出先では出来ないとの事なので駅前の大きなお店に出向いた。 小切手作るのは相手の住所・氏名さえわかっていればなんてことはない。20分で受け取った。 本人確認用の免許証などが必要。

今は円が安くなっているので損した気分。1ドル=115.75円で205ドル=23,728円だった。 手数料は2,500円。以前アメリカへ口座振込みで大変な思いをしたのに比べ超簡単。
小切手には相手氏名が入力されている。
後は送るのみ、行員に聞くと近くに郵便局もあるのでそのまま行ってみた。


加入24時間後

あらかじめ調べておいたのでEMSで送りたいと言うとさっと取り扱ってくれた。
どこの郵便局でもOKらしい。 インターネットで相手先に着いたか追跡できるのが魅力だ。保証も付いている。 封筒に入れて住所を書いたのにその上にベタっとシールを貼られて再び住所を書く羽目になった。 封筒には住所を書く必要はない。封筒は何でも良い。

封筒の中身は、小切手とeBay から自動で送られてきた「私は小切手を送ります」という計算書を 印刷した物。他のページを見て「計算書は必ず入れろ」と書いてあったのでそうした。

eBay のシステムは、すごく旨く出来ている。メールを開けないカフェのマシンでも Web 上でいろいろとオートマチックに出来るようになっている。 英語が堪能でない私でも簡単にたどり着けた。用件のみ書けば「拝啓」とか署名などは勝手に 入れてメールを送ってくれる。
ラクチン。

eBay に加入して24時間の間に落札、送金とトントン拍子で事は運んだ。
あとは、品物が無事に送ってくることを祈るだけである。


小切手発送24時間後

EMS 追跡によると小切手は窓口からちょうど24時間後に アメリカ・ニューヨークのケネディ空港に到着した。

その日、「すみません、あなたはオークションに勝てませんでしたので 代わりの品物をどうぞ選んでください」というメールが入った。
「なにー!冗談じゃないぞ、なんで取り消しなんだ」と、怒りとも焦りともとれる 感情に頭は混乱。「どうやって文句を言えばいいんだ、もう小切手発送しているのに」 とパニックになっていたが、「いや、ちょっと待てよ。この出品IDは・・」 と、やや冷静になってよく見ると別の物件で競り負けていたIDだ。 出品者のショップから落札出来なかった人への自動メールのようだ。 「うおおお、良かった」と汗をぬぐう私であった。 まったく紛らわしいメールよこすなってんだ。

それにしても貪欲なショップだ。しかし、まぁ考えてみれば親切なのかも知れない。
アメリカは文化が違うんだ、と認識を持った。


小切手発送6日後

EMS の到着メールがやっと入った。 それによると昨日出品者へ配達されたようだ。通常は1週間以内に金を払わないとオークションは 流れるらしいので日本からだと、いくらか余裕を見てもらわないと間に合わないことになる。

アメリカが、でかいのか配達がルーズなのか良くわからないがニューヨークからフロリダまで 4日もかかっている。飛行機ではないのは間違いないだろう。この分で行けば品物到着まで あと、10日以上かかるであろう。

金は送ったが品物が来ないというトラブルが心配されるが、eBay の場合少ないのではなかろうか? なぜかと言うと出品者の選別が厳密だからだ。100% フィードバックしていますという数字が必ず 書いているし持ち点数で出品者は色分けされている。日本のヤフーオークションが出品者に対して 甘く評価システムも欠陥品なのとは大きな違いだ。
eBay は出品者を大事にしていると思う。 それが本当だろう、魅力的なものを出品してくれる人がいないとオークションは成り立たないのだから。


落札2週間後・品物到着!

英字新聞にくるまれてやってきた。というより日本へ里帰りしてきた。

まさに、黒い南部14年式ホルスター。小切手が付いてから1週間ほどで日本へ着いた事になるので 迅速な配達であった。さすがにショップだ。送料はこんなものだろう(30ドル)。
各エッジは、しっかりと立っていて状態は素晴らしい。

残念ながら「黒色」は、兵隊さんがあとから塗ったものであった。左写真のように 南部ホルスターは実際に使用したら右上の肩が 絶対に傷ついているものだが、そこの剥げた部分は茶色である。糸も黒に染まって後から塗った事が 良く判る。

ストラップも短く切断されている。うかつにも購入時に気付かなかった。あとで写真見ると 確かに短い事が判る。あせって落札したもんねぇ・・・。
残念なことばかりではない。右写真にあるようにストラップの留め金は、2本の溝入で これは珍しいタイプではないか?南部ホルスターは、あと2つ持っているが、プレートは ミゾ無しである。ちなみに1本ミゾも存在するらしい。
このホルスターは、初めてeBay を経験した記念碑になった。

eBay は、価格的には安いが、送料など計算すると国内で買うのと大して変わらなくなる。 しかし、品揃えは大いに違う。先日などは南部式拳銃(陸式)の ホルスターが出品されていた。私も参戦したがまったく届かなかった。 750ドルくらいで落札された。凄い物を見させてもらった。

洋の東西を問わずマニアはいるものだ。eBay でも自分の価値観が通用するようなので、
なんだか嬉しくなった。


14年式ホルスター 175ドル23,800円 計27,500円

満足度=

(15日)

送料30ドル
小切手作成
手数料
2,500円
国際郵便EMS1,200円

品物が到着したので出品者に評価を入れた。すると私の評価も自動でひとつ付いた。
すでに出品者は、私を評価していたのでこちらの評価が入力されたとたんに 1ポイント表示されたわけだ。記念すべき1点となった。




要注意事項!!

国内よりも安いからといって・・・
払いは来月だからといって・・・・

むやみに落札したらとんでもない目にあいますよ!!

(合計額に驚く経験者は語る・・・)


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