あるとき、ふいに
日本で一番有名な拳銃であるワルサーP38 の技術的なルーツを探りたいと思ったのです。

と、いうのもフリッツ・ワルサーさんの最高傑作と言えるPP とP38 の間には 何かしらつながりが感じられなかったからです。何か他のモデルが存在しているのではないかと 思い検索の旅に出てみました。


お父さんのカール・ワルサーさんを社長に会社を始めた親子でしたが、設計はもっぱら 息子のフリッツ・ワルサーさんだったようです。

フリッツ・ワルサー
作品群

モデル1〜4


モデル−1 25ACP

モデル−2 25ACP

モデル−3 32ACP

モデル−4 32ACP

モデル5〜8


モデル−5 32ACP

モデル−6 9mm Luger

ストレートブローバックで9mmルガー


モデル−7 32ACP

モデル−8 32ACP

モデル9〜PP、MP


モデル−9 25ACP

モデル−PP 32ACP

世界初?ダブルアクションのオート


モデル−PPK 32ACP

モデル−MP 9mm Luger

ストレートブローバックで9mmルガー


9mmルガーをストレート・ブローバックで撃つのは、やはり難があったらしく 軍は、新たな大型拳銃を模索します。と、いうのもルガー拳銃の製造に時間がかかるので 制式拳銃を変えたかったのではないかと思います。

友人の助言では、P08 は安全性に問題があり改善したかったのでは?とのこと。 1930年代警察へ納入された分の改良セフティの話はこちら↓

https://www.hlebooks.com/lugerpa/asecurite.HTM

おかげでP38 がセフティだらけになったのかもしれませんね。


モデルMPの2代目

https://www.rockislandauction.com/detail/67/3225

これは、どう見たってP38 のご先祖様の格好をしています。名前は、MP のままですが、以前の ストレートブローバックの製品とは全然機構が違います。スライド・ロック機構を持っています。


スライドとかみ合うロッキングラグは、2個存在しますね。そう、まるでこちらのモデルを彷彿させます。→

MP の初代から2代目への、あまりの変化量に疑問を抱いた私は、モーゼルのロック機構でいろいろ検索していたら 面白いものを発見できました。


モーゼル1912/14 試作

https://www.rockislandauction.com/detail/67/1536/mauser-191214-pistol-45-acp

写真は、45ACP を撃てるモーゼル拳銃です。オープンスライドにロック部が補強されたスライドサイド面など 上半身は、ワルサーMP 2代目にどことなく似ています。
この試作シリーズは、他にも数種類あったようです。


必見!ビデオ

https://www.youtube.com/watch?v=Ip8QY3rmXh8

素晴らしい動画が、ユーチューブに上がっていました。モーゼルのロック付き拳銃の試作品が3種紹介されています。 上の写真でいうと左下のロック機構なんか、フリッツワルサーさんの大いなる参考になったのではないでしょうか?

右下のロック機構は、モーゼルパテントで機関銃に採用されているようです。

http://www.littlegun.info/arme%20allemande/mauser/a%20mauser%20brevet%20gb.htm


おすすめページ

このページを書き出してから偶然に見つけたページですが、私と同じ意見の方がすでにいらっしゃって 、より詳しい情報を発信されています。ベレッタ92には、7人の先達たちのアイディアが盛り込まれているというのには 感動します。ページはこちら↓

https://www.billstclair.com/weaponsman.com/index.html%3Fp=30179


アーミー・ピストーレ

https://www.rockislandauction.com/detail/67/1541/walther-ap-pistol-9-mm-luger

スライド先端にブリッジが付いて、もうここまでくればP-38 とほぼ同じ物ですね。
こちらのページ↓はP38とAP モデルを詳しく比較した写真などテンコ盛りです。

https://p38guns.com/


おわりに

https://www.morphyauctions.com/jamesdjulia/item/1571-396/

いろいろ検索してみて、私見ですがモーゼル拳銃の試作品がワルサーさんのインスピレーションに 大いに関わったのではないかと想像されました。

なかなかに楽しい検索の旅となりました。