レミントン・仕込み銃

名 称 Cane-Gun
所 属 アメリカ
口 径 .32 ショート、ロング
(リムファイアー)

1860年代にレミントンから発売されていた仕込み銃である。

犬の模様は1866年〜67年。32口径で、リムファイアー弾を一発発射できる。
おそらく、取っ手の部分をネジで外し弾丸を装てんし、取っ手を引いて発射した物だろう。

創業者Eliphalet Remington 氏は1861年南北戦争勃発の年に68歳で亡くなっている。会社は息子の Philo Remington 氏が引き継いでいた。


杖全部が銃身となっているので銃身長は26〜30インチもある。


発射準備完了の図。
杖に出ているボタンを押すとシアーが外れ撃針が弾丸底部を叩き発射される。

こんな、危ない物が製品として売られているとは、すごい時代だ。
それもそうだろう、 1860年にアメリカ南部の7つの州が独立を宣言し61年から1865年まで内乱となる、南北戦争の時代だ。

そのころイタリア独立戦争や日本では、薩英戦争が起こっている。日本ではこの後、世界の力を知った 薩摩が中心となり、土佐浪士による長州との連合により倒幕へと動いていく。西郷、大久保、坂本竜馬の時代だ。
海の向こう、銃器の世界では、サミュエル・コルトが亡くなり、スミスとウェッソン氏が世界初の金属薬きょう式拳銃を 発売し、儲けだしたころだ。エリファレット・レミントン氏は1861年8月に亡くなっているから 4月に始まった南北戦争は知っていただろう(その時ジョン・ブローニング氏は6歳だ)。

息子フィリオ・レミントン氏は、やがて農機具やタイプライターなどにも手を伸ばしていった。
タイプライター社はその後、電気ひげそりを開発し、現在でもRemington ブランドでひげそりを販売している。↓

http://www.remington-products.com/home.html

銃器のほうは、1912年 Union Metallic Cartridge 社と合併し現在はRemington Arms となっている。↓

http://www.remington.com/

驚くことに南北戦争直後の1866年には「コカ・コーラ」が発売されている。
日本は翌年、王政復古の大号令が下され、何もかもが変わっていこうとしていた年代である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』日本版の「1860年代」を参考にさせてもらった。 ↓ http://ja.wikipedia.org/


坂本龍馬1867年没


[ひとつ戻る]