写真_03

当ページでは、ミロクのフリントロック銃について書いています。ミロク製の三八式歩兵銃については 右アイコンより中田長物ページをご覧ください。

歴 史

もともと実銃のメーカーであるミロクは、モデルガンも作っていました。
中田から発売されていました三八式歩兵銃がそうです。鋳鉄を使用したモデルで 長い間販売されていました。
 
また、実際に撃てるフリントロックモデルも製造していて、海外へ実銃として輸出されていました。 そのモデルガン版として、薬室下部切削、火伝ホール閉鎖、銃身閉塞など施した物を国内で 数種類のフリントロックライフル・モデルガンとして販売していました。 バレルは鉄ですが、鍛造されてはいなかったそうです。
    このあたりの事をもうすこし正確に言うなら散弾銃などを作っているのは、株式会社ミロク製作所で高知県の会社。 モデルガンを売っていたのかもしれない会社は、ミロク商事株式会社で高知県。以上はミロクグループ企業。

    モデルガンを実際に作っていたのは、株式会社 ミロク精機製作所で神奈川県の会社。 現在はミロクグループ企業ではないがもともと母体は、ミロク製作所横浜工場で捕鯨砲 を作っていた。 そこから独立したもの。
    以上WEB 上調べなので、正確度それなりです。


Gun 誌記事

写真16 むかしのGun 誌に実銃を輸出している記事がありました。1976年10月号です。パーカッション式も作っていたのですね。 この記事の中に先込め銃は威力が弱いのでバレルは鍛造ではないと書いてあります。へぇー、そうなんだ。

なお、記事にあるのはミロク精機製作所であり、厳密には散弾銃を作っているミロク製作所とは別会社です。


広 告

ここに挙げているのは、すべて1977年 10月号のGun 誌の広告です。なぜかこの号のみたくさん掲載されています。 1977年と言えば昭和では52年、そう悪名高き52年規制で銃身分離型モデルガンは販売禁止、材料規制で鉄製長物なども 販売できなくなったころで、各社とも売るものが無くって大変だった時期なのでしょう。

写真00 当初はミロク自身の広告もGun 誌に載っていました。 この4種類がメインだと思われます。

他にマウンテンライフルなるものがありますが、ケンタッキーの廉価版っていう感じだと思います。 この4つをようく見ると機関部は後方が丸いものと尖ったものの2種類、ハンマーも幅広いものと幅細いものの2種類があり、 商品のパーツ互換はかなりあるのではないかと思わせます。


広告にあるニッサンミロクとは、KFCブランドでしか売られていなかったミロク製銃器を自社ブランドで販売するために合同で作った 販売会社で1972年からスタートし2008年に廃業したらしいです。
こちら参考になります。


写真01 こちらの上六さんの広告は、マウンテンライフルなる物が追加されて5種類となっています。

マウンテンは、ケンタッキーの8角バレルを途中からラウンドに切削したような物で モデルとなる実銃は特に存在していないのでは無いかと思っています。 寄せ集めパーツでは無いでしょうか?



写真02 こちらのポストホビーさんの広告では、マウンテンライフルがケンタッキーライフルになっています。

ケンタッキーの2丁には200とか7087という数字が書かれていますが、このページの3つ上の写真である1974年Gun 誌のミロク精機レポートの中の 実銃番号と同じものですね。何の意味なのでしょうか?



モデルの歴史的背景

写真14 ミロクの長物を時間軸に落としてみました。

滑腔銃とライフリング有りの銃がほぼ同じ年代で並行して存在していたのですね。
ミロク長物の中では、唯一ホーケンライフルが狩猟用で他のものは軍用銃なので人も撃ちます。 ホーケンは森の中を担いで獲物を追うので少し短くなっています。

南北戦争のころには色々な種類の弾薬や銃器が登場してきて、すごい進歩を遂げます。
その戦争が終わった後に大量の銃器が市場にあふれ、日本へも大挙してやってきて 明治維新に向けて日本を動かしはじめます。


かつては弟が全部持っていましたので、自分も手にしたことがありますが、 どれもすばらしい出来映えでした。自分は、ガンブルー仕上げが美しいホーケンライフルが 好きでした。また、どれも非常に重たい物でした。
 
※各種の写真をお持ちの方がいらしたら是非ご提供下さい。

ホーケンライフル

と、いうことでさっそく写真をいただきました。ナカさん有難うございます。
写真04 写真05 写真06
いやぁ、なかなか素晴らしい出来ですね。

ミロク雑誌掲載広告一覧

ミロク製品が、いつからいつまで掲載されたのか分かるだけ調べてみました。
他にも掲載されていたと思いますが、手元資料ではこれだけです。結構少ないです。

掲載年月日会 社内 容写真
1970年 5月号 Gunコクサイ フリントピストル あり
1973年 3月号 Gun中田商店 三八式歩兵銃
マウンテンライフル
あり
1976年10月号 Gun記 事輸出フリントロック銃
1977年 9月号 Gun上六ガン&ホビー1763マスケット あり
1977年10月号 Gun各 社当ページ上記に記載
1986年 8月号 Gun明和模型各種 あり
1988年 7月号 コンバット記 事各種長物 あり

価格推移

雑誌記事から拾いましたが、この10年でおおむね1.5倍程度価格は上昇しています。

商 品年 代価 格
ブラウンベス1977年\57,000
1988年\82,000
シャリーベル1977年\57,000
1988年\82,000
ケンタッキー1977年\29,500
1988年\48,000
ホーケン1977年\47,000
1988年\79,000
ハーパーズフェリー・ピストル1977年\19,000
1988年\30,000
ケンタッキー・ピストル1977年\17,000
1988年\26,000

今、記事を書いているのは2024年ですが、ミロクのモデルガンは新品では販売されている様子はありません。 いったい、いつ頃まで売られていたのか、よく分かりません。


おわりに

写真02

写真13 限りなく本物に近い匂いを発してくれる素晴らしい長物たちです。

ミロクのフリントロック銃は手入れをしないと錆びてボロボロになってしまうので、どうか良きオーナーさんたちに 恵まれますように。右はビフォー・アフター。


参考URL

ミロク製作所
 銃器製作している大手 
https://www.miroku-mfg.co.jp/
ミロク精機製作所
    本家の横浜工場が独立したもので ここでフリントロックや38式モデルガンが作られていた
http://www.mirokuseiki.co.jp/