南部式拳銃


名 称

Nambu
Grandpa,Papa,baby

所 属日本
口 径8mm南部、8連発

ベビー南部は7mm南部、7連発)

記 事 帝国陸軍、東京砲兵工廠小銃製造所所長 南部麒次郎少佐を長として完成された 拳銃である。陸軍制式採用はされていないので単に南部式拳銃と呼ばれるが 甲、乙型と区別してある資料も有るが記述がまちまちなのでアメリカで分類されている Grandpa,Papa,Baby の呼び方で分類してみる。

南部式拳銃は3つのタイプに分かれる。
1)1902年南部式拳銃(Grandpa)
2)1914年海軍採用の後期型(Papa)
3)7mm南部弾を使う小型拳銃(Baby)

各特徴を簡単に述べる
1)Grandpa

  • ストック取り付けミゾがフレームにある。この時代としては普通。
  • マガジン下部が木製。ルガーやボーチャードなどこの時代は普通。
2)Papa
  • トリガーガードが大きくなった
  • トリガー機構が変更
  • ストック溝がない(一部はあった)
  • マガジン下部がアルミ
  • ランヤードが可動タイプ
3)Baby
  • 1903年、南部式Grandpaをそのまま小型にした拳銃。 将校用に製造されたと思われる。
  • 口径は7mm南部。8mm南部弾をそのまま小さくした。
  • 仕上げが大変に美しく当時の売価もコルトポケットなどが100円なのに 対し180円と高価であった。

3種類とも機構は同じでショートリコイル、ストライカー式。 全体の姿はドイツのルガー拳銃を参考にしていると思う。
ストライカー式の撃発システムも良く似ている。
ロッキングブロックはモーゼル・ミリタリー式だがオリジナルであろう。
グリップは日本人にとっては握りやすい。軍に採用されなかった一番の原因は バレルエクステンションがフレームにすっぽりと入るため加工が難しかったからではないだろうか?
のちに南部式拳銃を元に14年式拳銃になり省略化や、強度増の改良がなされる。 25番さんの実銃ページ参考↓
http://taka25th.cathand.com/

自動拳銃自体が珍しいこの時代にオリジナリティあふれる拳銃が日本で生産された事は 記憶にとどめるべきだと思う。

番外編
世界に一丁だけ、こんな物がある。
南部式拳銃カービンタイプ。

カービン

クリック別画像
Japanese Military Cartridge Handguns 1893-1945
Harry L. Derby III & James D. Brown

に載っている。この本はサイコー!値段も最高だが・・。
国内だと15,000円くらい。384ページ。分厚い。
二十六年式、日野式、浜田式など詳細、お勧めです。

国産銃なのに海外の資料で調べるのはちと残念。


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